地価と保育料

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家賃と保育料の相殺現象

最後に、意外な話をひとつ。

都内は家賃が高いから、都外に住もうと考える人も多いかもしれません。

ところが、都内(23区・都下)の自治体は、世帯所得が中間層の保育料を安く抑えているので、住宅費の差を相殺してしまうことがあります。グラフは、拙著『共働き子育てを成功させる5つの鉄則』でシミュレーションした大田区と川崎市の比較です。(ざっくり世帯年収1300万円程度の場合の保育料、東日本流通機構調べの2014年1~3月期家賃相場による50平米の家賃)。

なお、大田区も川崎市も入園事情はよくないので、最終的には、入園難易度に着目したピンポイントでの地域選び・園選びが重要になります。その場合も、必ず見学をして子どもが安心して過ごせる園かどうかは確かめてください。

保育園を考える親の会代表 普光院亜紀
1956年、兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。出版社勤務を経てフリーランスライターに。93年より「保育園を考える親の会」代表(http://www.eqg.org/oyanokai/)。出版社勤務当時は自身も2人の子どもを保育園などに預けて働く。現在は、国や自治体の保育関係の委員、大学講師も務める。著書に『共働き子育て入門』『共働き子育てを成功させる5つの鉄則』(ともに集英社)、保育園を考える親の会編で『働くママ&パパの子育て110の知恵』(医学通信社)、『はじめての保育園』(主婦と生活社)ほか多数。