高血圧症や糖尿病とともに
EDも積極的に治療を

――EDはどのように治すのですか?

【須田】原則として、錠剤のED治療薬を使います。一言でいいますと、局所的な血管拡張薬です。勃起とは、性欲を覚えると脳から信号が出て、陰茎海綿体への血流が促されて起こる現象です。それを助けるため、この薬は陰茎動脈などを拡張するように作用します。あくまで脳からの信号がきっかけなので、やたらに勃起して困ることはなく、他に深刻な副作用も報告されていません。

――高血圧症や糖尿病に併発したEDも改善するでしょうか?

【須田】もちろん期待できます。またED治療薬には3種類あって、それぞれに成分が低用量、高用量の錠剤が用意されています。服用中の降圧薬や糖尿病の合併症などによっては処方に注意を要する場合もありますが、より安全に使用でき、効き目が長時間続くものを選ぶことも可能です。EDを専門とする医師に毎日服用している薬の名前などを伝えれば、適切なED治療薬を処方されるはずですから安心してください。ただし、狭心症の薬との併用だけは、危険なため絶対にできません。

――須田先生のクリニックで日ごろ患者さんのために配慮していることなどを聞かせてください。

まるでドミノ倒しのように、生活習慣病はさまざまな健康トラブルを引き起こしながら、重大な疾患へとつながっていく。下流に進むほど、食い止めるのは困難。できるだけ上流の段階で生活習慣を改善することが重要だ。
資料提供:日本新薬株式会社

【須田】私自身を含め、当クリニックの医師たちはEDに加え、高血圧症や糖尿病なども専門にしているメンバーです。お話したとおり生活習慣の改善もEDの予防や改善に役立ちますので、その面でもED患者さんをサポートできればと思いながら治療にあたっています。

EDの悩みというのは、ごく日常的な悩みですよね。だったら、まずは気軽に話していただけることが大事でしょう。当クリニックは、医師も受付スタッフも全員男性ですし、多忙な皆さんが来院しやすいよう年中無休で朝から夜まで診療しています。30代の患者さんもたくさんおみえですが、私は年齢的に近いこともあり時には自分の体験談も交え、よき相談相手になれるよう心がけています。

 

男の健康学<index>

第1回EDには治療薬がある。迷わず専門医を受診し公私の「自信の回復」へ
第2回EDとその裏側にある生活習慣病との深い関係
第3回より幸せな日常を、二人で歩んでいくために
第4回メタボなら要注意! 血管の老化がEDを招く
第5回ストレスのせいでEDに!「心因性」を克服するには
第6回高血圧症や糖尿病が招くEDの悩みを解消へ
第7回偽造薬のリスクに近寄らず「安全・安心」のED治療を
第8回「朝立ち」がなくなったらED?毎日の現象が示す真の意味
第9回妊活中のカップルに降りかかる危機!「タイミングED」を乗り越える
第10回誰にも聞けない──!? EDと治療のギモン