大宮スキンクリニックをはじめ、全国に計8拠点を展開するスキンクリニックグループ。石井良典総院長は、パートナーとの幸せを守っていくためにも、早期のED治療を強く勧める。

石井良典●いしい・よしのり

スキンクリニックグループ総院長
1988年、日本大学医学部卒業。92年、大宮スキンクリニックを開設。皮膚科、皮膚形成外科、レーザーの技術を駆使した総合的な美容医学の進歩に努める。以降、新宿、新潟など7つの分院を開設。ED治療にも積極的に取り組む。日本臨床皮膚外科学会認定医・理事、日本抗加齢美容医療学会理事など。

スキンクリニックグループホームページ  http://www.mens-sc.com/

 

カギは実年齢より「血管年齢」
誰もが発症の可能性あり

──EDは中高年以上の症状という印象があります。

【石井】いえ、EDのなかでも特に心因性のものは、年齢に関係なく起こりますよ。背景には仕事や私生活のストレス、性行為での失敗の記憶などがあって、20代の患者さんも目立ちます。

もう一つ、器質性EDというのは、陰茎の動脈硬化が主な原因です。陰茎動脈は非常に細く、初期の動脈硬化でも血流が悪化し、EDとなって表面化するのです。ですから、動脈硬化は単なる加齢だけに限らず、生活習慣病と密接にかかわっています。たとえ30代でも、心因性EDの原因が思い当たらない一方で、高血圧や脂質異常などがあるなら、器質性EDの可能性が高い。つまりEDに直接関係するのは、実年齢よりも血管年齢なのです

──実年齢は若くても、血管年齢が高くなるのはなぜでしょうか。

【石井】当院へお越しになる30代の患者さんの7〜8割はスモーカーです。タバコは動脈硬化を加速させますし、運動不足や偏った食生活が続くことによっても血管年齢は上がってしまいます。

その一方で、93歳のED患者さんが定期的にお見えになっていますが、初診時は88歳でした。それまで治療が必要なかったということは、血管年齢が相当に若いと言えるわけです。

──EDの治療法を教えてください。

【石井】PDE5阻害薬と呼ばれる錠剤の飲み薬を使います。陰茎の血管内で作用し、勃起を助ける薬です。「やたらと勃起してしまったら困る」と思うのは誤解で、あくまで性的な興奮を覚えたときしか薬は働きません。大きな副作用もなく、通常は安心して使える薬です。しかし狭心症の治療中などでは、薬の組み合わせによっては危険な場合もあるため、医師が問診で確認します。だからネット販売での購入や友人・知人間での薬の譲渡は、決してしないでください。ネット上でPDE5阻害薬として売られていたものを集め、成分を分析したら、半分以上がニセモノだったというデータもあります。