勃起のメカニズムを
サポートする飲み薬

──心因性EDになったら、どうすればいいでしょうか?

【土居】PDE5阻害薬というED治療の錠剤が心因性EDにも有効です。つまり解決策はあるということですから、安心してください。

また私のクリニックでは、カウンセリングを大切にしています。悩みや不安を聞いてもらうだけで、「気持ちが楽になった」とおっしゃる方々は少なくありません。

PDE5阻害薬は勃起のメカニズムを助ける作用を発揮します。心に何らかの原因があって勃起が弱い、持続しないという場合でも、性的刺激への初動の反応がある限り、そこにテコ入れしてくれるのです。そうして数回でも行為がうまくいくと、もう薬は必要でなくなる患者さんがたくさんいらっしゃいます。

──ED治療薬を使用するうえで注意すべきことは?

【土居】重い副作用は報告されておらず、若年層の方々は、まず心配なく使えるでしょう。とはいえネット販売のED治療薬は大部分が偽造品ですから、決して手を出さないでください。

狭心症の治療薬とPDE5阻害薬との併用は、危険なためできません。あとは服用のタイミングに要注意。実際の服用事例を集めてみると、お勧めは食前です。逆によくないのは高脂肪食を摂った直後の服用。本来の効果が低下したり、失われたりします。それから、心因性EDをお酒の力で吹き飛ばそうとしても、アルコールにはむしろ勃起を妨げる作用がありますので、気をつけてください。

──土居先生のクリニックで、患者さん向けに工夫なさっていることは?

【土居】スタッフは男性だけですし、薬は院内でお渡しします。また他の患者さんと顔を合わせないよう、個室の待合室を設け、直前でも構いませんので予約をお願いしています。予約は、なるべくお待たせせずにカウンセリングをしっかり行うためでもあります。夜や土曜日に加え、ご希望があれば日曜日の診察も可能です。

──心因性EDに悩む方々へメッセージをお願いします。

【土居】若い皆さんの場合は、セックスを特別な行為だと考えすぎて心因性EDに陥り、なおさら思いつめてしまうのかもしれません。セックスは男女の重要なコミュニケーションの一つですが、EDでなくても、うまくいかなくなることは多いものです。私自身も20代の頃、強いストレスでEDのような状態を経験したことがあります。

検査のためにズボンを脱ぐ必要などはありません。早めに受診し、悩みを打ち明けてくださればと思います。

男の健康学<index>

第1回EDには治療薬がある。迷わず専門医を受診し公私の「自信の回復」へ
第2回EDとその裏側にある生活習慣病との深い関係
第3回より幸せな日常を、二人で歩んでいくために
第4回メタボなら要注意! 血管の老化がEDを招く
第5回ストレスのせいでEDに!「心因性」を克服するには
第6回高血圧症や糖尿病が招くEDの悩みを解消へ
第7回偽造薬のリスクに近寄らず「安全・安心」のED治療を
第8回「朝立ち」がなくなったらED?毎日の現象が示す真の意味
第9回妊活中のカップルに降りかかる危機!「タイミングED」を乗り越える
第10回誰にも聞けない──!? EDと治療のギモン