多くの女性が営業職についてほしい

私はずっと営業の仕事をしてきました。部下にはよく人の話を聞かないといわれますが(笑)、世間亭はばからずですから、自分がしゃべって人を面白がらせるのが楽しくてしょうがないんですね。それが落語ではなく仕事になっただけです。テクノロジーのマーケットでは女性の営業は希少で、もっと多くの女性に営業職を目指してほしいと思っているんです。営業は女性の特性を生かしやすいからです。

まず女性の営業は珍しいので、必ず名前を憶えてもらえます。名刺交換しようとした方に「もう名刺3枚ももらったから」と言われたこともあります。あと面白いのは、男性は女性にはいつもとはちがう対応をします。女性の営業という定型外シーンが人をオープンにするのでしょうか。お嬢さんの話をされたり、妻にプレゼントしたいが何がいいかと聞かれたりということもあります。ビジネスを超えた会話から、人としての信頼関係を築くということは大切なことです。

なにより営業職のいいところはフェアな評価がもらえるところです。オフィスのサポート業務は定量評価が難しいのですが、営業は数字がモノをいう世界ですから性別は関係ありません。前任者が作った数字をどんどん上回っていけばいい。そう考えるとCEOほど女性にとってフェアなポジションはないかもしれません(笑)

社長も挫折することなんてあるんですか?なんていう不思議な質問には「はい、毎日挫折してます、今日も朝一のミーティングで挫折して始まりました。」と答えています。私は毎日「今日が終わりかも」と思いながらすごしていますが、トップの皆様は同じなんじゃないでしょうか。行けども行けども楽なところはなくて、いつも崖っぷち。でも「いけてるかな」と思ったときは逆に停滞しているときで、抵抗を感じるときこそ前進している証拠じゃないでしょうか。