先入観を持たずに接するとはどういうことか

ここまで書いていて気づきました。在日外国人の人に「どこから来たの?」とか「納豆は食べられる?」と質問するのと、女性に「彼氏はいるの?」「結婚してる?」「子どもは?」と聞くのは似たような乏しい発想から出ているんですね。相手を自分と同じ人間だとは見なしていないのです。

先日、ある立食パーティーの場でスリランカ出身の若い学者と話す機会がありました。日本に長く住んでいるとのこと。比較文化論が専門だというので、「日本とスリランカの比較ですか?」と何気なく質問したら、「それだけとは限りません。どんな先入観があるのかはわかりませんが、私はスリランカの専門家ではありません」ときっぱりと返されてしまいました。

先入観があると指摘されて僕はムッとしました。同時に、「ならば思い切り腹を割ってやろう」と決めました。今度は彼が僕の仕事内容を聞いてきたので、「ビジネス系のライターです」と当たり障りのない話をするのではなく、そのときに書いたばかりのコラムのタイトル「かなわぬ恋や苦しい別れでも、人生の宝物には違いない」(http://bylines.news.yahoo.co.jp/toyoomiya/20131207-00030444/)と趣旨を語って聞かせました。

口にするのは気恥ずかしいタイトルで、その場が凍ってしまう危険性もあります。でも、僕のせいではありません。「先入観を持つな。一人の人間としてオレを見ろ」と先に主張したのは彼のほうなんですからね。