英語を猛勉強
ディシラの営業本部長として1年半。業績が伸びてきたところで、資生堂へ戻ることになりました。2004年10月、宇都宮支社長としての異動でした。
そして2006年には女性初の近畿支社大阪支店長となり、部下の人数も格段に増えました。大阪支店は、有力なお取引先が多く、市場規模も全国有数です。取引先からは「女性が支店長とは馬鹿にしているのか」という声があったといいます。とにかく試練の毎日でした。
そんな状況でも自分の役割に邁進できたのは、優れたメンターに出会ったからです。当時の近畿支社長で、私の前任の責任者でした。私が悩んでいると、お得意先さまとの接し方を身を持って教えてくれ、影でフォローをしてくれるなど、私の目指すリーダーのロールモデルでもあります。
大阪支店長から再びディシラに異動になり、営業推進本部長を1年半務めたあと、資生堂の国際マーケティング部美容企画推進室長に就任しました。世界80カ国以上、1万人以上のBCを束ねる立場で、海外事業の顧客対応力を高める仕事です。
それまで外国の方と働いたことなどありませんでしたから、語学には苦労しました。すぐマンツーマンの英会話教室に通いはじめ、猛勉強しました。ただ、外国人の上司は「国際部門で働く必須条件は語学力ではなく、コミュニケーションをとろうとする気持ち、アグレッシブに意見を述べる姿勢だ」とアドバイスしてくれました。「目からうろこ」のひと言でした。
その後、海外出張があると、会合の席では外国の方のお隣りが空いていたら必ず座ってこちらから話しかけました。英単語を羅列し、身振り手振りを交えての会話です。もし自分が逆の立場なら、カタコトの日本語でも一生懸命に話そうとする外国人がいたらうれしくなります。相手もたぶん同じだろうと考えてチャレンジしていました。