『女友だちの賞味期限』プレジデント社刊
――ビジネスでできた友人と、個人的な友だちとの間に線を引きますか?

私の場合、友人関係には、公私の区別が全くないですね。生きるということは働くこと、そして生きるということは助ける、助け合うということですから、お仕事もしかり、友人関係もしかりだと思う。仕事がきっかけで知り合っても、親しくなれる人とは友だちになる。それを、仕事で知り合ったからって区別するのは、もったいない、というような気持ちですね。

友だちとの付き合いはどうしても仕事の合間を縫ってになりますから、いつも、話せるわけじゃないし、予定が合わなかったり、ずれちゃうこともある。でも、ある友だちのことをふっと思って、どうしてるかな、と思いついたら、すぐ電話するんです。「元気?」「たまにはみんなで会わない?」と。私はメールよりも電話ですね。

――それが上手な友だち付き合いのコツでしょうか。

コツ、というふうにはあまり考えないんです。ただ、私は人が好きなのかな。友だちの声が聞きたいと思ったら電話する。でも、一人でいるのも好きなんですよ。今日は誰にも電話しない、って決める日もあって、そういう日はたまにしかないから、すごく嬉しくて、本を読んだり、音楽を聞いたり。音楽さえ聴かないでぼーっとしたり。

――いわゆる「人脈づくり」みたいなことは気にかけていらっしゃいますか?

ビジネスのためには人脈作りをしないと! と思う方も多いようですが、私はあまり必要ないと思います。何かを教わりたいと思うとき、私に会ってくださる方は、教えてくださる気のある方、ご縁のある方なんですよね。必要なときに必要な人が、目の前に必ず出てくると思っているので、人脈を作ろうとがんばるより、目の前にいる、もう出会っちゃった人を大事にすることのほうにエネルギーを使います。

私は「今」というコンセプトをすごく大事にしています。今日一日を生き切る、ということは死に切る、ということでもあるでしょう。今という時間は本当にかけがえのないものなんです。だから、まだ会ったことのない人にがんばって会おうとするより、今、目の前にいる人との時間を大事にすることに専念したい。過去にも未来にも執着しないで、一瞬一瞬を大事にするのが理想ですね。難しいことですが。