誰でもできる! 甘えのテクニック
たとえば、身近に意中の男性・Bさんがいるとき。
もしあなたがスーパーウーマンで、どんな缶ジュースでもラクに開けられる握力を持っていても、あえてBさんに「ごめんなさい、なんだか硬くて」と甘え、開けてもらう。
すると彼のほうは、「いいことしたな」「これぐらいで喜んでくれるなら、次はもっと大きなお願いを聞いてあげようかな」と、無意識のうちに考えやすい。
そして1週間後、もう少し大きなお願い、たとえば重たい荷物を「いいですか?」と持ってもらう。
こうした“お願い”を何度か続けると、Bさんの脳内では【一貫性の原理】が働き、「僕は彼女が好きだから、いろんなお願いごとを聞いてあげた」と感じやすくなります。
その際、必ずBさんに「ありがとう」「さすがですね」と、感謝の言葉や満面の笑みを向けるのを忘れずに。
「ありがとう」と言葉で言う代わりに、ちょっとしたプレゼントや手作りのお弁当、可愛いメッセージカードなど、なにか“カタチ”を贈るのも有効です。
実はこのお礼が、さらに好意を生みやすい。
たとえば、マーケティングでよく例に挙がるのが、試食。
休日、デパ地下のスイーツ売場を歩いていて、「いかがですか?」とチョコレートの試食を呼びかけられたとしましょう。
あなたは「じゃあ」とチョコを1つ手に取って口にした段階では、まだ「買おうかな、どうしようかな」と迷うかもしれない。
でも、「どうですか?」と聞かれ、「美味しいですね」と答えてしまったあと、もし「ありがとうございます。実はこちらの、ちょっとお高いチョコもありまして」と、さらに希少性の高級チョコを、奥から試食に出して来られたら……
あなたはきっと、「さっきのチョコも美味しかったし、次もきっと」と手を伸ばす(【一貫性の原理】)。
しかも、「私のために高級チョコまで出してもらって、悪いなぁ」と、試食スタッフになにか“お返し”をしなきゃ、とつい負い目を感じてしまう。
後者が、マーケティング上で【返報性の法則】と呼ばれる原理。
誰かに過度な尽力やお礼をされると、つい「自分もなにか、好意を返すべきだ」と感じてしまう。
試食でいえば、それが「買う」に、恋愛や婚活では「お付き合いする」という行動に発展しやすいわけです。