抗菌薬は効かない、寝具や衣類を疑って

しかし、この病気は細菌やウイルスによる感染症ではなく、免疫の過剰反応によって起こります。そのため、抗菌薬を使っても改善せず、症状を繰り返すことがあります。

また、原因が職場ではなく自宅にあることも少なくありません。毎日接している寝具や衣類が原因の場合、本人にとっては当たり前の環境であるため、なかなか疑うことができないのです。特に、家にいると症状が悪化し、旅行や入院中に軽くなる場合は、住環境との関連を考えましょう。

生活環境を詳しく振り返ることが診断の重要な手がかりになります。自宅の近隣に鳩の飼育場や鳥小屋、インコなどを取り扱うペットショップがある場合や、自宅や職場に鳥のはく製がある場合も注意が必要です。

鳥関連過敏性肺炎では、原因となる抗原との接触を減らすことが最も重要です。羽毛布団やダウン製品が原因として疑われる場合は使用を中止し、必要に応じて別の素材へ変更します。

また、真菌(カビ)が原因となる過敏性肺炎では、室内の換気や除湿を心がけ、カビがたまりにくい環境を整えることも大切です。

この病気は薬だけでは改善しにくく、原因となる環境が残っていると再発を繰り返すことがあります。そのため、治療と同じくらい生活環境の見直しが重要です。ときに転居や大規模なリフォームを要するケースもあります。原因不明の咳や息切れが続く場合や、「家にいると悪化する」「外出すると楽になる」といった傾向がある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。

50代女性…朝起きるたびに咳・鼻水・くしゃみ

【マットアレルギー 寝室に潜むアレルギーの原因】

50代の女性Hさんは、健康のため毎朝ヨガを続けていました。数カ月前から朝起きると咳や鼻水、くしゃみが続き、夜中に咳で目覚めることもあったため、風邪が長引いていると思っていました。しかし旅行先のホテルでは症状が軽く、自宅へ戻ると再び悪化。不思議に思って受診したところ、ヨガ用マットや室内環境に潜むダニによるアレルギーが疑われました。

布団や枕、カーペット、ヨガマットなどは、ダニやカビが繁殖しやすい環境です。特に問題となるのはダニの死骸やフンで、これらを吸い込むことでアレルギー性鼻炎やぜんそくが起こります。

また、寝具やマットに付着したアレルゲンに長時間触れるため、朝方や夜間に症状が強くなることがあります。そのため、「寝ても疲れが取れない」「朝だけ咳や鼻水が出る」といった症状の背景に、寝具由来のアレルギーが隠れていることがあります。