自分で自分の欠点を“広告”するな
自分が社会にとって必要のない人間であると思った途端、人は老いる。逆に、自分が周囲から必要とされるかけがえのない存在であると思えていて、生きる目的があるならば、その人は溌剌と長らえることができる――宇野千代の生涯がその見本です。
宇野千代の言葉
私の頭は年齢相応にちぢんではいるけれど、脳の中の血の流れは若い人と同じように良好だし、おでこの辺り、つまり小説を書くための部分は大層しっかりしている。
宇野千代の言葉
「私はおばあちゃんだから」とか、「私はこんなに肥っちょだから」とか、自分で自分の欠点を広告して歩く人がありますが、私はそんな人のことを、損な人だなァ、と思います。明るいことを考えましょう。いつでも、花飾りのついた帽子を冠っている気になりましょう。
逆境を逆境と思わずに、飛び込んでみる
宇野千代の生き方の指針となったのは、その精神力。それは、しなやかな「ソフトパワー」ともいえる生き方でした。どんなときも「幸福か不幸かは自分で決める」を旨とし、どんなに耐え難いと思える出来事が起こっても、力ずくで立ち向かったり、抵抗したりするのではなく、むしろその中へするりと入り込んでいくのが千代の流儀でした。
人生とは想定外のことや理不尽なことばかり起こります。
コントロール不能な出来事に振り回されるのではなく、まずは逆らわず受け入れてみる。逆境を逆境と思わないで、あたかも“待ち構えていたかのように”、飛び込んでみる。むしろこの状況すら愉しんでみる。そうするうち、次第に心身になじんで慣れていき、困難を困難と思わなくなるというのです。
この思考法こそが、自分の心を守りながら苦難を乗り越えるための最適解だと、千代は怒濤の人生の中で知っていきました。