まずは子どもの感情を認める
たとえば、子どもの友だちが遊びに来ていて、2人とも電車のおもちゃで遊びたいとします。あなたはマヤに「いまはサラの番だよ」と伝えました。でもマヤは泣いていて、サラからおもちゃを奪おうとしています。床に寝転んで暴れているかもしれません。
すると、あなたはこう言うでしょう。「悲しいのはわかるけど、いまはサラの番なの。すぐにあなたの番が来るから」。ちゃんと親らしいことを言えた、と思うでしょう。でも、マヤは相変わらず大声で手足をばたつかせています。
このとき、大人としてどう教えてあげればいいのでしょうか。古くからの、でも本質的な方法――心から、偽りなく、子どもに共感すること、つまり感情整理をしながらコーチングしてあげることです。
「そのうちマヤも順番を待つことを理解できるようになる」という先の見通しより、いまこの瞬間に向き合うことが大切です。感情の結果として生まれた怒りやフラストレーションはごく普通のことで、子どももそうした感情をもつ人間なのです。
ある出来事に関して子どもが抱いた感情が理解できなくても、その感情を認めてあげることはできます。その感情が「ある」ということを認めてあげることが大切なのです。
「でも」を、子どもを認める言葉に置き換える
ここで、「でも」という言葉について考えてみましょう。
これは逆説を示す言葉です。感情に名前をつけた後に「でも」と続けてしまうと、感情処理に大切な「感情を認めること」と矛盾してしまいます。感情を認めた後は、子どもが次の段階へ進む助けになる言葉を使いましょう。
前へ進もうとしているところを途中で止めてしまうような言葉は逆効果です。感情処理では、「安心感」と「対処法」も大切なのです。
「怒ってもいいよ。でも叩くのはよくない」のように対比的な言葉が必要なときもありますが、それはいまでなくてもいいのです。いまは「でも」を、子どもを認める言葉に置き換えましょう。
「それはつらいね」
「その気持ち、わかるよ」
「強い感情が湧いてきたんだね」
「腕に力が入っているみたいだね」
「眉間にシワが寄っているよ」
子どもの様子を観察して言葉にして伝えることで、子どもは自分がどんなボディーランゲージを使っているかを知ることができます。
また、あなた自身も、生存本能を司る脳ではなく合理的な思考を司る脳を働かせられるようになります。子どもの感情を認め、そう感じていいんだよと伝えたら、次の段階へと導いてあげましょう。

