子どもがネガティブな感情を抱いたとき、親はどんな対応をするといいか。その感情が理解できなくても、認めてあげることが大切という。幼児教育専門家のアリッサ・キャンベルさん、ローレン・ストーブルが書いた『子どもの感情を育てる本 0歳からはじめる』(多賀谷正子訳、かんき出版)より、紹介する――。(第1回)
母親の腕の中にいる恥ずかしがり屋の少女
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「たいしたことではない」は禁句

「たいしたこと」とは、何でしょうか。

人生経験を積んだ「賢い」大人である自分にはそれがわかる、と私たちは思っています。誰かを落ち着かせたいなら、「そんなのたいしたことじゃないよ」と言えばいい、とも思っています。

確かに、その言葉が効くときもあります。自己調整のスキルをもち、順番を待つことの意味もよく理解していて、大人の言葉をすんなり受け入れられる子どもなら、「そうか、大丈夫なんだ。うまくいくんだ。たいしたことじゃないんだ。わかった」と思えるでしょう。

でも、大人にとってはたいした問題でなくても、子どもにとっては重大なことだという場合もあります。

たとえば、ある子が遊んでいる電車のおもちゃを、別の子が使いたいとする。大人からすればたいした問題ではありませんよね? 解決策も簡単です――順番に使えばいい。しかし、その子はつい最近「順番を待つ」ということを教わったばかりかもしれません。

「いま」使いたいのに、順番を待つなんてできません。小さな子どもはいま、この瞬間を生きる名人です。いつだって「いま」しかない。「あなたは次だよ」と言われても、すぐに順番が来ないなら、その子にとっては「あなたの番は永遠に来ない」と言われたも同然なのです。

予定通りに進めたくて、子どもが何をしていようととにかく止めさせたい、という場面もあるでしょう。でも少し想像してみてください。

自分が時間を忘れるほど何かに熱中しているとき、誰かが来て「それを止めてご飯にしよう」と言われたら? 「お腹なんて空いていない! これを終わらせたい。あとで食べる!」と心の中で叫ぶのではないでしょうか。興味のあることに夢中になっているとき、子どもも同じように感じます。