日本の首相だけが「座ったまま握手」
各国の要人が一堂に会する重要会合ともなれば、人が入れ替わり立ち替わり挨拶することは当たり前です。他の首脳より先に席に着き、座っていた当時の日本の首相のもとに、挨拶に寄る他国の首脳。ほぼ初対面のはずなのに、日本の首相は座ったまま相手のほうに顔を向けて握手。にこやかに握手をすれば済む、というものではありません。文化の違いという言い訳もできません。
握手は挨拶。握手をするときは、立ち上がって、きちんと相手に目と顔と体を向けること。この映像が一瞬のうちに世界を駆け巡ってしまったことは言うまでもありません。
すでに故人となったある政治家が首相時代のこと。英国王室のディナーパーティーで、食事の始まる前、席に近づいてきたエリザベス女王に座ったまま握手したと報道されたときは、タブロイド紙で「茶道では、武士は何があっても立ち上がらない」とコメントされたそうです。
ディナーでコーラを注文した大統領
コーラ好きのアメリカ人は多いですが、大統領も例外ではないようです。ある大統領がエリザベス女王からお茶に招待されたときのこと。女王にお茶をすすめられると「コーラがいいね」と言ったとか。
また、あろうことか、その後の晩餐会でワインが供されたのに、彼はやっぱりコーラを注文したのです。そのワインは、ヴィクトリア女王にも献上されたことのある、とっておきのモルドバのワインだったのに。
どんな料理にもコーラを飲むというのはいかがでしょう。飲み物にもマナーがあるのです。
ヨーロッパ、日本の食卓史、及び礼法の研究家。神戸生まれ。英国、ザ・イーストボーン・カレッジ卒業。大学内ル・コルドンブルーのシェフ資格取得。1988年、神戸にて「ザ・クイーンズ・フィニッシングスクール」開校。プロフェッショナルを対象とした、英国及びフランスのディナー、サヴォイア式食卓のサービスを指導。「志摩観光ホテル ザ ベイスイート」建設チームメンバー。皇室及び宮家のサポート。ミシュランUK&アイルランドのサポート。「ザ・ペニンシュラ東京」アンバサダー。NHKの番組で英国のライフスタイルを紹介する。『食卓への招待 テーブルセッティング&マナー』(講談社)など著書多数。
