栄養素を補いやすい食材1位

こうした不足を補うために、調査で「取り入れている・取り入れたい」と回答が多かった食材は、1位「納豆」、2位「プロテイン」、3位「鶏むね肉・ささみ・サラダチキン」、4位「ヨーグルト・乳酸菌飲料」、5位「にんじん」でした。

納豆をかき混ぜる手元
写真左=iStock.com/Yume-Tabi
※写真はイメージです

どれも理にかなった選択ですが、栄養士としておすすめしたいのは、やはり1位に挙がった「納豆」です。というのも、今回の調査で不足に気づいた人が多かった栄養素のうち、たんぱく質・鉄・食物繊維の3つを、1パックで同時に補えるからです。しかも調理は不要、価格も手頃で、スーパーやコンビニで買ってすぐに食卓に加えられる。忙しい働く世代が「今日から」取り入れやすい点でも、納得の1位だと感じています。

【図表】納豆100g中の栄養成分(タレを含まず)
食品成分データベースを基にGeminiを使って編集部作成

もちろんプロテインも、たんぱく質を補う目的では便利な選択肢です。ただ、基本的にはたんぱく質に特化した食品であり、食物繊維や幅広いビタミン・ミネラルまで十分に補えるとは限りません。食事の代わりというより、必要に応じた「補助」として考えるのが適切です。

鶏むね肉・ささみ・サラダチキンもたんぱく質はとりやすいのですが、市販のサラダチキンは製品によって食塩量が異なるので、栄養成分表示を確認する習慣もあるとよいと思います。ヨーグルトや乳酸菌飲料はカルシウムやたんぱく質の供給源になりますが、乳酸菌飲料は製品によってカルシウムや糖類の量が大きく異なるため、ヨーグルトとは分けて考えたほうが正確です。にんじんは体内でビタミンAに変換されるβ-カロテンを含む緑黄色野菜ですが、ピーマンや水菜、ブロッコリーなど他の野菜と組み合わせることも大切です。

いずれにしても、これらの食品単品で栄養不足を解決しようとするより、主食・主菜・副菜をそろえる中で、どう取り入れるかを考えることが基本になります。

牛丼など「単品ランチ」が続く人へ

物価高もあって、ランチを牛丼やラーメン、うどんといった炭水化物中心のメニューで済ませる方も増えているのではないでしょうか。炭水化物は体を動かすための大切なエネルギー源ですから、こうしたメニュー自体が悪いわけではありません。ただ、単品で食べる機会が続くと、野菜や豆類、乳製品、果物をとる機会が減り、食物繊維やビタミン、ミネラルが不足しやすくなったり、脂質や食塩のとりすぎにつながったりすることがあります。

牛丼
写真左=iStock.com/bonchan
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大切なのは、主食・主菜・副菜がそろうよう「足し算」で工夫することです。うどんに卵や肉、わかめ、野菜を加える。牛丼にサラダやおひたしを一品添える。ラーメンなら具を増やし、スープを飲み干さない。丼ものに冷奴を一つ追加するだけでも、たんぱく質がプラスされます。冷蔵庫に納豆やヨーグルトを常備しておくのも手軽な方法です。毎食完璧にそろえる必要はありません。一食で偏ったと感じたら、次の食事や一日全体でバランスを戻せばいいのです。