シニアの働き方は、“自己表現”へと変わっていく
結論として、今までのシニアが受け入れている「従来型の小さな仕事」のフォーマットは、そのままネクストシニアには通用しない面もあるのではないか、と私は考えています。
もちろん、現実的な問題として、彼ら・彼女らも「小さく働く」(時間を短くする、責任を軽くする)こと自体には、時代の流れとともに適応していく、いかざるを得ない面もあるでしょう。
しかし、自分にとって「意味のない小ささ」「魂のトキメキがない単純作業」には、耐えられない人が続出する可能性があります。
ネクストシニアが求めるのは、労働の形を借りた「楽しさ」「自己表現」「デジタルとの接続」「多世代交流」がブレンドされた、まったく新しいワークスタイルです。
これからのシニアの働き方は、単に生活費を稼ぐための「スモールサイズの単純労働」から脱却していきます。「趣味」「地域貢献」「情報発信」「コミュニティー」を掛け合わせた、より文化的で、自己表現に満ちたクリエイティブな働き方へと進化していくのです。私が実施した数々の調査結果も、彼ら・彼女らの心がそれを強烈に渇望していることを明確に示しています。
新人類世代、バブル世代が、その旺盛なエネルギーとデジタルツールを携えて、セカンドキャリア市場に本格参入するとき、日本の高齢化社会の景色は一変します。
これまでの「保守的なシニア」のイメージを覆し、社会を内側からエンタメ化し、日本全体を明るくパワフルに照らし出す「キラキラシニア」たち――。
彼ら・彼女らが日本の未来を救う主役になる未来を、私は直感ではなく、確信として見据えています。
1977年東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーを経て、現在はマーケティングアナリスト。2022年より芝浦工業大学教授に就任。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。主な著作に『ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体』(幻冬舎新書)、『パリピ経済 パーティーピープルが経済を動かす』(新潮新書)、『Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?』(光文社新書)、『寡欲都市TOKYO』(角川新書)、『Z世代に学ぶ超バズテク図鑑』(PHP研究所)などがある。
