「一括」よりも「積み立て」が安心な理由

「投資はまとまった資金や余裕がなければできない」と考えている人もいるでしょうが、決してそんなことはありません。特に物価上昇が続く局面では、現金の価値を守る手段として少額からの投資が大きな意味を持ちます。

預貯金の多くは「単利」で計算されますが、投資の大きな魅力は「複利」にあります。「元本+利息」の合計に利息がつくため、資産は雪だるま式に増えていく可能性が大きくなります。

投資の成果は「金額×利回り×期間」で決まるため、運用期間が長いほど有利に働きます。一時的な市場の暴落に直面しても、変動を乗り越えて経済成長の波に乗れる可能性も高まります。

また、一度にまとまった金額を投じる「一括投資」よりも、定期定額での「積立投資」のほうが、高値づかみのリスクを回避できます。

プロでも難しい相場の読みを個人で行うのは困難です。淡々と積み立てを続けることこそが、資産を安定させ、着実に将来の備えを築くための近道といえるでしょう。

資産寿命を延ばす“取り崩し方”

退職後を見据えて形成した資産が目標額に達したからといって、運用をやめるのはおすすめしません。

定年後、運用を一切せずに資産を取り崩していくと、資産は一定のペースで減り続け、寿命より先に底をつく場合もあります。ですから、年率3%程度で運用を続けながら定額または定率で取り崩すこと。そうすれば、資産寿命を延ばしつつ資金も確保することができます。

また、認知機能の低下に備えて、取り崩し方法を決めておく必要があります。

売却手続きができないために、せっかく蓄えてきた資産を支出に充てられない場合もあるのです。

そのため、判断能力がしっかりしているうちに、各証券会社が行っている自動的に一定額を現金化してくれる定期売却サービスを設定するのがおすすめです。定年前後の世代は、資産を取り崩す計画を早い段階で立てておくことが、安心につながります。