メカニズム③矛盾・ダブルバインド
人間の心理は単純ではありません。相反する欲求を同時に抱えることは、むしろ普通です。そして、その「矛盾」こそが、深い本音を隠します。次に挙げるのは、典型的な矛盾例です。
▲「節約したい」でも「いいものが欲しい」「ケチと思われたくない」
▲「時短したい」でも「手抜きと思われたくない」「ちゃんとしていたい」
▲「自由に生きたい」でも「安定が欲しい」「失敗したくない」
具体例3 時短家電を買わない主婦
食器洗浄機(以下、食洗機)、乾燥機付き洗濯機、ロボット掃除機など、便利な時短家電は山ほどあります。しかし、多くの主婦は買いません。
「価格が高い」「置く場所がない」「手洗いのほうがきれい」
「家事から解放されたい」⇔「でも、家事をしない私は怠け者だ」
「ラクしたい」⇔「主婦なら家事をちゃんとやるべきだ」
「時短家電が欲しい」⇔「夫に『ラクしてる』と思われたくない」
この矛盾を抱えた状態で、「なぜ時短家電を買わないのですか?」と聞かれても、答えられません。なぜなら、どちらの感情も本物だからです。
また、矛盾を抱えた欲求の多くは、「罪悪感」を伴います。
▲子どもを習い事に通わせるのは、「子どものため」か「自分がよい親だと思われたいため」か
▲健康食品を買うのは、「健康のため」か「買うことで安心したいだけ」か
▲副業講座を買うのは、「本気で稼ぎたい」のか「買うことで何かをやった気になりたい」のか
こうした罪悪感が、本音を語ることを妨げます。本音を認めることは、「よくない自分」を認めることになるからです。