メカニズム②社会的に言いにくい本音
これは、「わかっているけど言えない」本音です。たとえば、次のような欲求が当てはまります。
▲「他人より優れていると思われたい」
▲「見下されたくない、バカにされたくない」
▲「SNSで『いいね』をたくさんもらって承認欲求を満たしたい」
▲「ラクして稼ぎたい、努力したくない」
▲「他人の不幸を見て優越感に浸りたい」
これらはいずれも、人間なら誰もが持っている普遍的な欲求です。
しかし、アンケートで「あなたは他人より優れていると思われたいですか?」と聞かれて「はい」と答える人は、ほとんどいません。
人は社会的な生き物です。他人からどう見られるかを、常に意識しています。そのため、「社会的に望ましくない」欲求は、たとえ自覚していても口にできないのです。
具体例2 パーソナルジムへの入会
30代女性が、月額5万円のパーソナルジムに入会します。建前と本音を紹介しましょう。
建前
「健康のため」
「運動不足を解消したい」
「プロのトレーナーの指導を受けてみたい」
本音
「痩せてキレイになった私を、元カレに見せつけたい」
「インスタに『ジム通ってます』と投稿して意識高い系アピールしたい」
「太っている同僚より優位に立ちたい」
「ジムに通う自分が好き」
実は、本人はこの本音に何となく気づいています。しかし、絶対に口には出しません。なぜなら、本音を認めることは自分を「浅はかな人間」「見栄っ張り」と定義することになるからです。
心理学では、この現象を「社会的望ましさバイアス」と呼びます。人は、社会的に好ましいと思われる回答をしようとするもの。
▲本当は「ラクしたい」けど、「成長したい」と答える
▲本当は「お金が欲しい」けど、「社会貢献したい」と答える
▲本当は「認められたい」けど、「自分のため」と答える
このバイアスがある限り、どんなに質問の仕方を工夫しても、本音は表に出てこないのです。