7000台超のミニカーすべてに思い出がある

ウォークインクローゼットを改造した約3畳のスペースが、私のコレクションルームです。集めたミニカーは「トミカ」ほか、米国「Hot Wheels」や英国「Matchbox」など約6500車種、7000台超。収まりきらず箱詰めしたものが、階段や寝室にもあふれています。単身赴任で留守にした間にかつての書斎は息子の部屋になったので、ここ以外には自分の場所はないのです。

きっかけは35年前、ふと立ち寄った専門店で、幼少期に持っていた商用車4台セットを見つけたことでした。「昔、これでよく遊んだなぁ」。コレクター価格でプレミアがついていましたが、懐かしさがこみ上げてきて購入してしまいました。それから数年間はぽつぽつ買う程度でしたが、2000年にトミカ30周年記念でイベントが展開されると、本格的に収集し始めました。

トミカにはNo.1〜No.120の「通常シリーズ」と呼ばれるラインアップがあります。全国どの取扱店でも購入できますが、毎月2台ずつの入れ替えがあります。例えば、No.1は1970年8月〜74年9月に販売された初代「ブルーバードSSSクーペ」から、現在の7代目「スカイラインGT-Rパトロールカー」まで7種類です。

歴代の通常シリーズはすべて揃えると1000車種ほどになるのですが、持っていないのが7車種あり、これはぜひとも入手したいと思っています。たまにメルカリに出るのですが、10万円以上の値がついていると到底手が出ません。その場合は「縁があれば、いつかは出合えるだろう」と思って諦める。仕事ではないので突き詰めすぎないのが、興味関心が継続するコツです。

通常シリーズ以外にも、限定仕様や特注バージョン、企業とのコラボモデルが多数製造されています。入手しづらいレアものを手に入れるのも、コレクションの醍醐味です。地方限定版はコレクターのコミュニティで協力し合ったり、景品モデルを入手するためスナック菓子を爆買いしたり、回転ずし店に通い詰めたり。

とくに全国各地で開催される「トミカ博」は、イベント記念モデルが買えるチャンスです。ゲームに参加し、当たりが出ると「金メッキトミカ」がもらえるブースでは、幼い子どもたちに交じって、いい年をした私が何度も列に並ぶのです。もちろん最初は「恥ずかしい、でも欲しい」と葛藤したのですが、いつの頃からか平気になってしまいました。

すべてに思い入れやエピソードがあります。田舎のお菓子屋さんで発掘したデッドストック、青春時代に熱狂した「F1GRAND PRIX IN JAPAN」のチャンピオンセット。No.5の「トヨタ bB」は、息子が喋れるようになった頃に、初めて口にした車名です。

私が大切にしているのはミニカーというモノよりも、一台一台にまつわる思い出なのでしょう。そうした思い出にふれるのが、朝の大事なひとときです。

「モノよりコト」で関われる商品を売りたい

梶原産業は、キッチン、ダイニング、バス、サニタリーなど生活関連商材を扱う専門商社です。取引先は家電量販店やホームセンター、通販会社、専門店など。私たちは商社なので、商品の個性を独自に創造することはできません。では、何をもって取引相手として選んでいただけるのか。

全国のメーカーが作る優れた商品を発掘し、そのモノにまつわる価値や物語を取引先に伝える。取扱商品のラインアップを充実させて、迅速かつ効率的にお届けできる体制を整備する。できる努力はたくさんありますが、世にあるすべての商品を扱うわけにはいきません。万人受けする商品であれば、大量に作って、できるだけ安く提供すればいいのかもしれません。ですが、私たちは「量より質」「拡大より堅実」をモットーに、商売を続けてきた会社です。ちょっとした工夫があって、誰かには必ず刺さる要素がある。そんな商品を集めてお届けするのが、私たちの役割だと思っています。

(構成=渡辺一朗 撮影=宇佐美雅浩)

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