入浴後の保湿を忘れないで
また、ぜひ忘れないでほしいのが、入浴後の保湿です。入浴すると皮脂が落ち、肌の乾燥が進みます。夏は湿気が多いから大丈夫、と油断しがちですが、季節を問わず、お風呂から出たら10分以内に保湿していただきたいのです。
これは性別関係なく、男性でも同じです。乾燥は肌荒れのもとになりますし、せっかく入浴で整えた肌の状態を保つためにも、ここはひと手間かけてほしいところです。
ここまで控えてほしいことをご紹介しましたが、最後は、この夏に向けて「ぜひ取り入れてほしい習慣」をお伝えしておきます。ずばり「暑熱順化」です。
近頃の夏は、気温が40度近く、場合によっては40度を超えるような日が当たり前になってきました。酷暑を乗り切るための対策としても、本格的に暑くなる前の段階で、お風呂の活用をぜひお勧めしたいのです。汗をかくくらいの入浴を2週間ほど続けると、汗をかきやすい体になり、熱中症に強い体ができるという研究があります。ぜひ毎日湯船に入っていただき、体を慣れさせていただきたいと思います。
「38度で20分」の入浴習慣で、酷暑対策
このとき意識したいのが温度です。暑くなり始めの時期は、できれば40度で10分、しっかり汗をかく。そして40度で入るのがつらくなってきたら、無理せず38度に切り替えて20分にする。こうして体を少しずつ暑さに慣らしておけば、本格的な夏も乗り切りやすくなります。
冷たい水を一気に飲まない、すぐ涼まない。そして、汗をかいたらしっかり保湿する。夏にやりがちな習慣を少しずつ見直しながら、汗をかく習慣をつけていく。そうすればお風呂の効果はぐっと高まり、ことしの夏を健やかに乗り越えられるはずです。
温泉療法専門医、博士(医学)。浜松医科大学医学部准教授、大東文化大学スポーツ・健康科学部教授、東京都市大学人間科学部教授などを経て、現職。公益財団法人中央温泉研究所理事、一般社団法人日本銭湯文化協会理事、一般社団法人日本温泉気候物理医学会理事、日本入浴協会理事。著書に『入浴 それは、世界一簡単な健康習慣』(アスコム)ほか。メディア出演も多数。環境省の「新・湯治効果測定調査プロジェクト」の調査の研究責任者を務める。