「扇風機に直当たり」「冷房ガンガン」も避けて
同じ理屈で、風呂上がりのビールも、本当のことを言えばもったいない飲み方です。冷えたビールは胃腸を冷やし、せっかくの温熱効果を止めてしまいます。理想を言えば、30分ほど体が落ち着くのを待ってからのほうがいいのです。
とはいえ、おいしいのもよくわかります。それが何よりの楽しみという方を、無理に止めるつもりはありません。あまり厳密なことを言って、お風呂そのものが面倒になってしまっては本末転倒です。我慢のしすぎでお風呂が嫌になるくらいなら、ビールも楽しみの一つとして、まずは入っていただくほうが大事だと思っています。ただし、ビールは利尿作用がありますので、必ずアルコールの無い水分は別に摂ってください。
もう一つ、夏ならではのもったいない習慣が、お風呂上がりに扇風機の前や冷房の部屋へ直行することです。汗が引くまで涼む。夏なら誰もがやることですし、気持ちもいいですよね。でも、これもやり方によっては温熱効果を台無しにしかねません。
もちろん、タオルで拭いてもなお汗がどんどん吹き出してくるなら、それは入りすぎ、体温が上がりすぎたサインなので、扇風機で冷やしてもよいでしょう。しかし、タオルできちんと拭けば汗が滲んでこない程度なら、話は別です。そこで扇風機や冷房に当たると、せっかくの温熱効果がリセットされ、逆に体を冷やしてしまいます。
心地よくお風呂を終えられたなら、すぐ涼むのではなく、自然に体温が下がるのを待つほうが理想です。冷房のきいた部屋へ直行する場合も、極端に冷えた部屋は避け、緩やかな冷房程度にとどめたほうがよいでしょう。
おすすめは40度、「熱すぎるお湯」はNG
一方で、季節を問わず、熱いお湯が好きな方もいらっしゃると思います。ただ、これも注意が必要です。熱いお湯は交感神経を強く刺激して体を興奮させますし、皮膚はたんぱく質でできているので、熱すぎると表面が荒れることもあります。夏の間はヒートショックの心配こそ少ないものの、やはりあまり熱いお湯はおすすめできません。
年齢とともに、皮膚は温度に鈍感になっていきます。それが、年を重ねると、かなり熱いお湯でないと「入った気がしない」と感じるようになる理由です。でも、それはご本人の感覚が鈍っているだけで、体にとっては負担になっている可能性があるのです。自分ではちょうどいいと思っていても、実は体には熱すぎる、ということが起こります。
一番温度に敏感なのは、子供です。たとえばお子さん、お孫さんと一緒に入って「お風呂が熱い」と言われたら、それはサインと捉えてください。可能なら湯温計で確認し、40度くらいに設定する。湯温計がなければ、若い人やお子さんに一度お湯の温度を見てもらうのも一つの方法です。年齢が上がった方ほど、自分の感覚を過信せず、まわりの感じ方を参考にすることが大切です。
それでもどうしても熱いお風呂に入りたい、という方は、最初は40度から入り、最後に追い焚きで42度まで上げるといいでしょう。こうして段階的に温度を上げれば、いきなり熱いお湯に入るより、体への負担はずっと少なくて済みます。