寝室内のCO2が基準を超えることも

一方、30代ぐらいの施主は、「部屋全体が寝床になるほど狭くていい」と3畳や4畳半の寝室を造り、収納は家族分をまとめてウォークスルークローゼットを用意して、リビングを広くする傾向がある。この場合も、湿気対策の必要がある。

クローゼット
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寝室にモノが多いシニア世代の部屋では、空気が循環しにくい。「モノがあって幅が狭いと、空気に対する抵抗が多く、対流ができないので、風の道を作ることが一番大事」と中西さん。換気以前に、室内のモノを減らす必要がある。

部屋が狭い1人暮らしの若者も、モノが多くなりがちである。カーテンレールをクローゼット替わりにして服をたくさんぶら下げていると、風通しを邪魔し壁などがカビやすくなる。

寝室が狭い場合は、24時間換気システムを確実に作動させよう。「人間は思っている以上に、二酸化炭素をたくさん出す。環境基準で室内の二酸化炭素は1000PPM以下にしないといけないのですが、3畳間なら寝て数時間で超えます」と中西さんは言う。2003年以前に建てられた住宅で寝室が狭い場合は、夜間に窓やドアを開け換気することが必要だ。

ニュースよりも自分の体感を目安に

中西さんは、テレビなどの情報をうのみにする現代人の問題も指摘していた。「天気予報などで、『明日はすごく暑いです』などと言われると、実感がなくても朝からエアコンをつけて窓を開けようともしない。外の気温や湿度が今どういう状態なのか、ちゃんと自分の体感をもとに対応して欲しいです」と語る。

人間は環境に順応できるので、湿度が高く部屋に臭いがこもっていても、鈍感になってしまう。しかし、だるい、寝苦しいなど、身体は反応している場合が多い。

また、寝室やクローゼットは盲点になりやすい場所だ。水回りは換気に気を配っている人も、クローゼットなどの収納や寝室は、「散らかっているから」と閉め切っているのではないか。本記事でご紹介したプロの視点をもとに部屋の状態を確認し、改善する方法を考え実践しよう。蒸し暑い季節を少しでも快適にし、気持ちよく秋を迎えたい。

阿古 真理(あこ・まり)
生活史研究家

1968年生まれ。兵庫県出身。くらし文化研究所主宰。食のトレンドと生活史、ジェンダー、写真などのジャンルで執筆。著書に『母と娘はなぜ対立するのか』『昭和育ちのおいしい記憶』『昭和の洋食 平成のカフェ飯』『「和食」って何?』(以上、筑摩書房)、『小林カツ代と栗原はるみ』『料理は女の義務ですか』(以上、新潮社)、『パクチーとアジア飯』(中央公論新社)、『なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか』(NHK出版)、『平成・令和食ブーム総ざらい』(集英社インターナショナル)、『料理に対する「ねばならない」を捨てたら、うつの自分を受け入れられた。』(幻冬舎)などがある。