夏の結露が原因で生えるカビ
建築家にも、家の構造面から解説してもらった。『大改造‼ 劇的ビフォーアフター』(テレビ朝日系)の匠として知られる一級建築士の中西ヒロツグさんは、カビの原因となる結露は温度差で生じるので、窓を断熱する必要があると話す。ペアガラスを入れた二重窓で、樹脂製または木製のサッシなら断熱性能は高い。また、断熱性の高い家は比較的室内の温度が一定に保たれるので、きちんと換気していれば結露しにくい。
ただ、日本で住宅の断熱性能が注目されるようになってからの歴史は浅く、断熱性・気密性共に弱い住宅が多い。中西さんは、透明なポリカーボネート板を自宅の寝室や西向きの窓に立てかけている。
「二重窓ほどの断熱性能はないですが、中に空気層ができるので結露はかなり改善されました。ホームセンターのDIYコーナーで、はめ込めば引き戸になる簡易内窓も売っています」と話す。遮光するなら、二重構造で断熱性が高い段ボールも、手軽に加工できるのでおすすめだそう。こうした製品は、アマゾンなどのインターネット通販でも買える。
特に夏場におすすめなのが、「日射遮蔽」。窓から日射しを通して入る太陽熱が部屋の床や壁を温めると、夜にエアコンをつけても効きが悪くなってしまう。ひさしや外付けブラインド、断熱雨戸があれば理想的だが、ない場合は、すだれや遮光カーテンをかけるのもよい。
ただ、真西向きの窓はひさしでは防げないので、段ボールで日射遮蔽をしよう。日中家を空ける人は、雨戸・シャッターを閉めておき、帰宅したら窓を開けて空気を入れ替えてから冷房するとよい。朝から暑いような日は換気する以外は閉めておき、エアコンの冷気をできるだけ逃がさないようにする。

満杯のクローゼット内で起きること
湿度が低い日は、窓で換気するのもよい。対角線上のできるだけ遠い窓同士を開けて、家じゅうの空気が循環するようにする。また、床面まであって外に出られる「掃き出し窓」なら、部屋に1カ所しか窓がなくても「床面と天井面に温度差があるので、上部から空気が出て足元に空気を取り込むので大丈夫です」と中西さん。
クローゼット内については、やはりサーキュレーターを回しっぱなしにすることをすすめ、「洋服をぎっしり詰め込んでいる場合も、ある程度上下に隙間があれば対流が期待できます。木材や珪藻土、漆喰のように湿度を調整してくれる内装材を使えばより安心です」と補足する。空気が動いていれば結露しないからだ。
注意点は、その日着た洋服をクローゼットに入れて扉を閉めると、服に染み込んだ汗や水分がクローゼット内の湿度を高めてしまうこと。エアコンをつけた室内に一晩置いてから、クローゼットに戻したい。
また、中西さんはたくさんの住宅の建築やリフォームにかかわってきた経験から、世代別の傾向と対策を解説する。持ち家に住むシニア世代の夫婦に目立つのは、物置状態になった寝室を使う例。「同じ家に長く住んでいるご夫婦は、どんどんモノを詰め込んで容積が狭くなったところでお休みになっている。寝室は人に見せないこともあり、環境が悪くなっていても気づかない方が多いです」と話す。