夏の“エアコン寝落ち”はNG
夏季にはエアコンで喉をやられた方が、喉の痛みや咳を訴えて、たくさんクリニックを訪れます。エアコンで快適な室温になり、そのまま寝落ちして、鼻が詰まって口呼吸になり、喉を傷めてしまったパターンが多いのです。
なぜエアコンの冷房をかけっぱなしにすると鼻が詰まるのでしょうか。
一つには、冷たい空気を吸い続けると、鼻の中の細かい血管が最初は収縮して鼻がスースー通るのですが、その後は反動で血管が拡張して、鼻粘膜が腫れてしまうからです。
また、体が冷えすぎると交感神経と副交感神経のバランスが崩れて、鼻粘膜の血管の調節がうまくいかなくなるからです。それによって、やはり鼻粘膜が腫れて、鼻が詰まりやすくなります。
さらに、冷房の風はとても乾燥しています。乾いた空気を吸うと、鼻の粘膜が乾きます。それに対する防御反応として粘膜が腫れ、分泌物(鼻水)を増やすために、詰まりやすくなるのです。
このようなことが原因で、エアコンのかけっぱなしによって鼻が詰まってしまうことが多いのです。特に夏の夜は気をつけて、大切な鼻を守ってください。
(参考文献)
・一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「鼻の症状」
・学会誌インターナショナル・ジャーナル・オブ・インフェクシャス・ディジーズに掲載された米ワシントン州にあるスウェディッシュ・メディカル・グループのチームの症例報告(2022/12/14)
・『総合診療 33/7 2023年7月号』(医学書院) 上田剛士 洛和会丸太町病院救急・総合診療科「Dr.上田剛士のエビデンス実践レクチャー! 医学と日常の狭間で 患者さんからの素朴な質問にどう答える? 鼻をかむことの弊害」
医学博士、耳鼻咽喉科、頭頚部外科。専門は音声学・癌・難聴遺伝子。信州大学病院に勤務後、難聴遺伝子、遺伝子解析研究のスペシャリストとして厚生省で研究に携わり、米国ネブラスカ州国立リサーチ病院に留学、研究を続ける。大学病院での高度医療、癌センターでのオペ研修など医療のトップレベルで15年以上勤務。横浜市大医学部にて医学博士を取得。現在、横浜市内のクリニックで地域密着の診療に従事。著書に『1万人の耳の悩みを解決した医師が教える 耳鳴りと難聴のリセット法』(アスコム)がある。
