「温かいタオル」で鼻づまりが解消する

小さなお子さんの場合、まずは親御さんがお子さんに、イラスト(図表1)にあるように「鼻をちゃんとかむ」習慣をつけさせることが大切です。

乳幼児など、まだ自分でかむことができない年齢であれば、親御さんがご自分の口で、鼻水をスーッと吸ってください。その行為に抵抗のある方は、市販の吸入器を使いましょう。吸っている口の中に鼻水が入らないように、逆流防止弁がついているタイプがおすすめです。

なかには「吸い切るまで息が続きません」という親御さんがいらっしゃいます。そういう方は、無理に吸うことはありません。そういうお子さんには、私は去痰薬きょたんやくを処方します。粘液を外へ出したり、柔らかくしたりすることが目的です。そうなれば、無理なく吸えるようになります。

鼻づまりのあるお子さんには、「鼻ほっとタオル」(第1回参照)をやってください。43度ぐらいに温めたタオルを当てて、鼻から思い切り息を吸います。吐くときにはタオルを外し、またタオルを当てて息を吸います。蒸気を鼻から吸って、鼻粘膜の血流を良くすることで、膿(鼻水)を柔らかくして外に出すのを助けるので、お子さんの症状を緩和します。

「鼻うがい」はやめたほうがいい理由

鼻うがいとは、鼻の奥の粘膜を洗浄して、汚れやアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質)を取り除くセルフケアです。

鼻の中(鼻腔)と口の中(口腔)をつなぐ上咽頭の鼻水や、粘膜の汚れ(花粉、ハウスダスト、雑菌などの異物)を物理的に洗い流すので、やればスーッとします。また、鼻づまりや鼻水を予防し、症状緩和に役立つともいわれています。

近年は「鼻洗浄器」として専用の器具も市販されています。ですが、鼻うがいには危険がいっぱい潜んでいるので、安易にすることは控えていただきたいと思います。

自宅での鼻うがいは、「正しい方法で行わなければ、難聴、中耳炎、咽頭炎、カビアレルギーによる鼻炎、肺炎などのリスクが高まる」というのが、耳鼻咽喉科学会の統一見解です。なぜなら、鼻うがいには、次のようなリスクがあるからです。

・細菌やウイルスが入った水が逆流して、難聴や中耳炎になる可能性がある。

・器具内に残存した水分からカビが繁殖し、鼻や喉に炎症を起こす可能性がある。カビが蔓延すれば、肺炎になる可能性がある。

・鼻や喉にある免疫力を損なう可能性がある。

・カルキを含んだ水道水が、粘膜を傷める可能性がある。