年齢を重ねても健康に過ごすには、どうすればいいのか。耳鼻咽喉科医の木村至信さんは「口呼吸をしている人は気をつけてほしい。体内に雑菌が入りやすくなり、最悪の場合、認知症や命に関わる病気につながる。鼻づまりに悩む人は、ぜひ試してほしい簡単な方法がある」という――。(第1回)

※本稿は、木村至信『1万人の鼻の悩みを解決した医師が教える 鼻炎のリセット法』(アスコム)の一部を再編集したものです。

鼻をかんでいる人
写真=iStock.com/west
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「口呼吸」は肺炎や心筋梗塞につながる

呼吸として理想なのは、「口呼吸」でなく「鼻呼吸」です。ゆっくり鼻呼吸をしていると、呼吸が深くなり、副交感神経が働きやすくなります。そうなればストレスが軽減して、リラックスできます。そういうこともあるので、特別な場合を除けば、口ではなく鼻で呼吸することが理想なのです。

ところが鼻が詰まったり鼻水が出たりしていると、息が吸いにくいので口を開けることになり、口呼吸になります。すると副交感神経が働きにくくなります。

さらに、口呼吸をしていると、ウイルスが鼻毛というフィルターで遮られることなく体内に取り込まれてしまうので、風邪を引きやすくなります。

また、空気が口の中を通るので、ドライマウスにもなります。口が乾いた状態です。口が乾いて唾液が減れば、虫歯や歯周病になります。口の中に雑菌が広がるので、口臭も出ます。その雑菌が体の奥に入れば、肺炎や心筋梗塞の原因にもなります。

いつも鼻を詰まらせたりすすったりしていると、中耳炎になる可能性が高くなります。鼻と耳は「耳管」という細いパイプでつながっていて、そこを空気が通っています。鼻の中で炎症が起きたり粘液が増えたりすると、そのせいで耳管が詰まることがあります。

めまい・難聴・耳鳴りになる

耳管の中の空気が少なくなると、鼓膜の奥に液が溜まったり、細菌が入りやすくなったりして、中耳炎になるのです。特に、まだ耳管が短い子どもは、中耳炎になりやすくなります。

長引く鼻づまりをほうっておくと、めまい、難聴、耳鳴りになることがあります。鼻づまりのせいで耳管がうまく開かなくなったことが原因です。

小学生くらいまでのお子さんは、鼻の奥で「アデノイド」というリンパ組織が大きくなっていくため、蓄膿症になりやすく、結果、脳に酸素が届くのを邪魔することがあります。そのせいで成績が落ちたり、「アデノイド顔貌がんぼう」という独特の顔つきになったり、難聴になったり、夜尿症になったりすることがあります。アデノイドは誰でも持っている組織ですが、ひどい場合には手術で取り除かなくてはなりません。

鼻づまりが続く方は耳鼻科のクリニックに行って、原因になる病気を特定してもらいましょう。「たかが鼻づまり」と軽視するのは危険です。