ヘアプランナーによるオーダーメイド品
クオリティの高さは、人工毛髪をはじめとした製品そのものだけにあるのではない。既製品のブランドもあるが、相談者一人ひとり、オーダーメイドで対応してもらえるのだ。
「ヘアプランナーと呼ばれる担当者がお客さまとお会いして、どんなウィッグをお作りするか、ご相談させていただいています。どんな髪の色にするか、どれくらいのサイズのどの部分をカバーするものを作っていくか、いろいろな話をしながらプランを立てていきます」
なんと、頭の形状をレーザースキャンで3D画像として記録するという。頭の形にもフィットしたウィッグになるのだ。そして何より重要なのが、髪の毛の色の選択だ。
「今の髪がどのような色になっているか。例えば、白髪がどのくらいのバランスで入っているか。それは人さまざまなんですね。また、一見グレーヘアでも、じっくり見ると実はいろんな色が混ざっているのが本来の人毛なんです」
人の髪の毛をまじまじと見ることはまずないが、取材で目の前に置かれたサンプルのグレーヘアは、たしかに複雑な色合いだった。グレーもあるが、紫っぽい色も混じっている。黒もある。そうか、人の髪とは単色ではなかったのだ。
こうした複雑な色合いの髪の毛をウィッグでも再現するから、つけても自然なスタイリングになるのである。
ウィッグの大事な3つの要素
川﨑さんは言う。
「オーダーメイドですから、それぞれ必要な色の人工毛髪を用意して、組み合わせていきます。いろいろな色を合わせていくからこそ、自然なウィッグになるんですね。また、カールも、その方のカールの具合を見て、同じようなカールにします。これらをすべて、ヘアプランナーが指示書に仕立てて、生産工場に送るんです」
頭の形も色もカール具合も一人ひとり違えば、毛量も違う。どのくらいの人工毛髪を入れるのがいいのかも、ヘアプランナーが指示書に記す。
「難しいのは、例えば黒にしても、いろんな黒があることです。真っ黒に見えるものもあれば、赤っぽい黒に見えるものもあれば、青っぽい黒に見えることもある。微妙な色合いを、しっかり把握する必要があるんです」
ウィッグの要素には、3つのポイントがあるという。土台となるベース、人工毛髪の素材(毛材)、そして留め方、すなわち装着方法だ。
男性向けには人工皮膚が使われることが多いが、女性向けで多いのはベースネット。ここに人工毛髪を、ヘアプランナーの指示通りに特殊な針を使って、“1本1本毛植え”していく。
「頭に乗せるものですから、通気性が良いものでないといけません。自分の髪の毛と混ぜて使いますから、薄さも大切。しかも軽くないといけない」