「今後の話」をする絶好のチャンス

親の介護を親のお金で賄いきれないばかりか、親のわがままに振り回されて悲惨な別れ方をされるケースもあとを絶ちません。長年親の介護をしてきた方から、「やっと死にましたよ」と聞いたときには、本当に悲しい気持ちになりました。経済的にも精神的にも介護で追い詰められていたことは存じ上げていたのでなんと返していいかわかりませんでしたが、子育て中の私自身、身につまされる思いでした。

そんな経験から、私は子どもがもう少し大きくなったら資産のすべてを開示して、「私が動けなくなったらこうしてね」という希望を伝えておこうと思っています。

とはいえ、なかなかお金の話、ましてや最期の話にもつながることなので言いづらい方もいるかと思います。最近、たまたま親子で介護の映画を観たことをきっかけに遺産相続の話や今後のことを話すことができた、という方がいました。映画に限らず、テレビなどでも介護の特集は定期的にやっていますので、そういった機会を捉えて徐々に親子でコミュニケーションを取ってみるのもおすすめです。

実際、親の介護を親のお金で完結できた方が、気持ちよく家族に見送られているケースが多いと感じます。子の幸せを願うすべての親御さんにはぜひ今日から少しずつ、お子さんにご自身の今後についてお話ししていただけたら幸いです。

構成=小泉なつみ

高山 一恵(たかやま・かずえ)
Money&You 取締役/ファイナンシャルプランナー(CFPR)、1級FP技能士

慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。全国で講演・執筆活動・相談業務を行い女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。著書は『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年前後のお金の強化書』(きんざい)など多数。FP Cafe運営者。