介護と仕事を並行できる方法を探す

介護離職された後にご相談を受けたので鈴木さんのケースではどうしようもなかったのですが、自身の経済的基盤を失うと今後の人生に大きな影響が出てしまうので、ここは最も慎重に考えていただきたい部分でした。

離職する前に、介護休暇などを利用して落ち着いて整理する時間を持ち、将来を見据えて働きやすい環境の整った企業へ転職するなど、介護と仕事を並行して続けられるようにするのが大切です。介護休暇は1日など、短い日数でも取得ができます。長期にわたって職場を離れなくて済むため、介護に向けた体制を整備するのにも使いやすいでしょう。

また、介護そのものについては、地域包括支援センターなど、第三者を入れて介護の相談をするのが第一歩です。プロにつながることでニーズに合ったサービスを紹介してもらえますし、これまで頑なだった方も、他人からのアドバイスだとすんなり受け入れられるといったこともあります。当事者だけで解決しようとせず、さまざまな相談窓口を頼ってみて下さい。

実家に月5万の仕送りを続ける夫に三行半

シングルの方だけでなく、ご夫婦で介護に悩んでいる方のケースもご紹介します。鳥居達也さん(55歳/仮名)も80代のお母さんの介護中ですが、それにより、熟年離婚の危機に陥ってしまったのです。

鳥居さんのお母さんは東北で一人暮らしをしているのですが、介護が必要になった時から「お母さんに不自由をさせたくない」と、毎月5万円の仕送りを開始。しかしこれが妻の怒りを買ってしまったのです。

というのも、鳥居夫妻には高校生の一人息子がおり、お金がかかる時期でしたが、妻に相談することなく5万円の仕送りを勝手にはじめたそう。妻は最初から不満を覚えていたそうですが、年収約700万円の夫に対し、自身はパートで数万円しか稼いでいないという負い目もあり、なかなか言い出せませんでした。そして鳥居さん自身も「俺の金で援助しているんだからいいだろ」と開き直っていたところ、遂に妻が爆発。離婚を突きつけられてしまったそうです。

男女間のけんか
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

実際、鳥居さんの手取りは約45万円で、住宅ローンや教育費の支払いなどもあり、妻のパート代と合わせてもそこまで余裕はありません。また仕送りだけでなく、鳥居さんは月に何度もお母さんの様子を見に東北へ帰省していたので、交通費やその際に渡すお土産代などもかさんでいました。