“失言”で露呈した高市首相の無知・不勉強ぶり

一方、高市早苗首相はそれより前の2月27日の衆院予算委員会で、皇位継承について「皇統に属する男系男子に限ることが適切」と答弁した。ところが同日午後に早速、木原稔内閣官房長官が皇位継承資格ではなく、皇族数確保策の1つ「養子縁組」案の対象者を念頭に置いた表現だったと事実上の訂正を行った。

高市氏は、政府の有識者会議報告書に依拠しながら、その報告書が皇室典範の本格的な改正論議を避けるために、あえて立ち入らなかった「皇位継承」の領域に、十分な準備もなく踏み込む失態をおかした。これによって、同氏が表面上は「保守」「愛国者」ぶっていても、皇室については無知・不勉強であり、つまりホンネのレベルでは無関心(!)である事実を、暴露したと言える。

「皇室」という国家と国民にとってとりわけ重大なテーマに対して、政治家たちの発言が軽すぎる。小川氏の「見てみたい」という表現にいたっては、皇室への敬意のかけらも感じさせない、非礼で軽薄すぎる物言いだった。

世界的に孤立した“いびつ”なルール

皇室の将来をめぐり、政治家が是非とも知っておかなければならない事実がある。それは、次世代の皇位継承資格者がたったお一方しかおられないという目の前の皇室の危機を招いている原因は、今の皇室典範が“致命的な欠陥”を抱えているためだ、という事実だ。

過去の皇位継承を支えてきた側室制度がとっくに過去のものとなり、「一夫一婦制」なのに皇位継承資格を「男系男子」だけに限定するという“ミスマッチ”なルールが、そのまま維持されている。この構造的欠陥をすみやかに解消しないと、皇位の継承はいずれ行き詰まる。

世界の君主国の中で、一夫一婦制で男系男子限定ルールを採用している国は、人口が約4万人ほどのミニ国家・リヒテンシュタインを除けば、わが国だけだ。世界的にまったく孤立した“いびつ”なルールであることに気づかなければならない。