53歳で第4子誕生、「胸が痛い」

ヘルンは朝起きも早い方でした。年中、元日もかかさず、朝一時間だけは長男に教えました。大学に出て居ります頃は火曜日は八時に始まりますからこの日に限り午後に致しました。大学まで車で往復一時間ずつかかります。昼のうちは午後二時か三時頃から二時間程散歩をするか、あるいは読書や手紙を書く事や講義の準備などで費しまして、筆をとるのは大概夜でした。夜は大概十二時まで執筆していました。時として夜眠られない時起きて書いて居る事もございました。

(編集部註:第4子で長女の)壽々子の生れました時には、自分は年を取ったからこの子の行先を見てやる事がむずかしい。「なんぼ私の胸痛い」と申しまして、喜ぶよりも気の毒だと云って悲しむ方が多ございました。