便利な世の中だからこそ、「体温のあるリアル」を追求
映画『ゴールド・ボーイ』(24)で製作総指揮を務めた白監督と、脚本を務めた港さんが今作で再度タッグを組んだわけだが、そもそも両名はどんな思いで映画制作に携わっているのだろう。きっかけと映画界に対する思いも聞いた。
――お二人が影響を受けた映画監督はいますか?
【白】私が暮らしていたのは中国の田舎町だったので海外映画に触れる機会が少なく、ネットも今ほど普及されていませんでした。そんな中でもカンヌ国際映画祭にて審査員特別グランプリを受賞した、中国人監督の姜文(チアン・ウェン)監督の作品、『鬼が来た!』(2002年)を観て映画の面白さを知りました。この監督は北野武さんの作品のようなブラックコメディを作ります。結構ディープなセリフをたくさん仕込んでるので、独特の世界観があります。
――日本の監督で影響を受けた方はいますか?
【白】来日してからは是枝裕和監督の作品に魅了されました。映画『誰も知らない』はすごい作品です。ある事件をベースにした作品ですが、映画を観終わってすぐに実話を調べ、なるほどこの事件が是枝監督の手にかかるとこんな作品になるのかと納得し、改めてそこでも是枝監督のすごさを理解しました。
――港さんはどんな方に影響を受けましたか?
【港】私が影響を受けた方はマーティン・スコセッシ監督と北野武監督です。暴力がはびこる学校で学生時代を送っていたので、怖い思いをしながら生きていました。でもその時に感じた空気感を当時は映画で感じることはありませんでした。しばらくして、スコセッシ監督と北野監督の作品に出会い、「リアルってこうだよね」と腑に落ちる感覚になりました。自分が感じてる現実を映画は表現できるんだと衝撃を受けました。
――今でもスコセッシ監督と北野監督作品はご覧になりますか?
【港】今でも両名が作った作品は見返しますし、何度観ても感動します。お二人の作品に感化され、現実と地続きになっている作品を手掛けたいという気持ちにつながっています。
――白監督は今回の作品が初監督作品ですが、監督を務めるきっかけを教えてください。
【白】監督を務めた理由は二つあります。一つ目は、簡単で自分が監督を務めたら監督料がかからない(笑)。コストが節約できるのでその分、他のことにお金をかけることができます。これも大事な理由の一つ。そして二つ目は、このテーマだから自分で撮りたいと思ったからです。もともと自分発信から生まれた作品ですから、最後まで責任をもって自分の手で撮りたいと思いました。
――最後になります。作品をこれからご覧になる方にどんなふうに“#拡散”してもらいたいですか?
【白】初めに宣言しますが、映画『#拡散』は見終わった段階では作品としては未完成です。観た後にご自身の中で考え、その意見を近くにいる方に話してください。それで初めて完成する作品になっています。ですから、本作の本当の作品名は『#拡散+あなたの意見』というわけです。ぜひ劇場でご覧になって感想を拡散してください。
【港】白監督にうまいこと言われてもう言うことがないよ(笑)。
私からは、作品に携わったからこそ感じたことをお話ししたいと思います。それは、SNSやAIの世界がすべてだと思うことは過ちを犯すことにつながってしまう可能性があるということです。だからこそ、「体温があるもの」を信じてほしい。体温とは要するにリアルです。今後もネットの世界はものすごい勢いで発達していくでしょうが、それでも私たちはリアルなものをキャッチし、感じることが大事だと思います。
■作品情報
映画『#拡散』
配給: 株式会社ブシロードムーブ
公開日:2026年2月27日(金)全国公開
©2026 #VIRAL PRODUCTION COMMITTEE
原案・編集・監督:白金(KING BAI)
脚本:港岳彦
キャスト:成田凌、沢尻エリカ、淵上泰史、山谷花純、赤間麻里子、船ヶ山哲、鈴木志音、DAIKI、MIOKO、高山孟久ほか
主題歌:「sunrise」野田愛実
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