遺産問題で絶対に避けたかったこと

こうした困難を、時系列を追って確認したい。

ハーンは明治24年(1891)の夏、前述のように杵築でセツとの結婚を誓った直後、アメリカの友人ペイジ・ベイカーに手紙を送った。そこには、法的な問題があるために入籍していないことや、国籍が違う同士の結婚にいかに法律上の問題がからむか、ということが細かく記されている。つまり、ハーンは当初から、入籍についての思いをめぐらせていたのである。