子どもが不登校になったとき、親がやってはいけないNG対応とは何か。不登校ひきこもり専門カウンセラーのそたろうさんは、「親が献身的だと問題が長引きやすい。お子さんをかえって追い込んでしまうので、注意が必要だ」という――。
学校に行く小学生を見送る母親
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「いいお母さん」だと不登校は長期化する

お子さんが学校に行かなくなったとき、親御さんは「将来、この子が自立して生きていけるように」と願い、必死に行動を起こします。通えそうなフリースクールを探して見学に行ったり、学校に戻れる方法をネットで検索し続けたり、「この子の個性にはこんな場所が合うんじゃないか」と奔走したり。

それは親としての深い愛情であり、傍から見れば、子どものために尽くすとても「いいお母さん」の姿です。しかし、残酷な現実をお伝えしなければなりません。残念ながら、その「いいお母さん」であろうとする献身的な関わりこそが、不登校やひきこもりを長期化させてしまうことが本当によくあるのです。

もちろん、「では、放任して見守っていればいいのか?」というと、それもまた違います。ただ見守っていても子どもが動き出す気配がない中で、「どこまで関わり、どこから引けばいいのか」と途方に暮れている親御さんも多いはずです。

今回は、過保護・過干渉でもなく、かといって放任でもない。お子さんを本質的な解決と自立に導くための、親としての「絶妙な距離感」についてお話しします。なぜあなたの献身さが裏目に出るのか、その心理的メカニズムから紐解いていきましょう。