良い意味で子どもに構う暇がなくなる

あなたが「自分自身に献身的になり始めると、子どもとちょうどよい距離感を自然と取れるようになっていきます。

「子どもに献身的になりすぎる」ということが、物理的にできなくなっていくからです。

これまで、あなたの頭の中は24時間、お子さんの心配事で埋め尽くされていたかもしれません。「どうして学校に行かないの?」「将来どうするの?」と。しかし、あなたが自分のために時間を使い、自分の心を喜ばせることにエネルギーを注ぎ始めると、良い意味で、お子さんのことを考え続ける「隙間」がなくなっていきます。

そたろう『親が変わると、世界が変わる 不登校・引きこもりを本質的に解決したある母の物語』(Independently published)
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「我慢して見守る」のではありません。

「自分の人生を楽しむのに忙しく、子どものことを構っている暇がなくなった」
「不安を手放せて自分が満たされているから、子どもの些細なことが気にならなくなった」

そうやって、無理な努力をすることなく、自動的に過干渉が手放されていく。先回りや過干渉をやめるのではなく、する必要がなくなるし、しなくなる。それこそが本質的な変化なのです。

親御さんが自分を満たし、消耗せずに余裕を持って接してくれる。親が自分の人生を楽しんでいる。そんな「安全で対等な関係」が家庭にあれば、お子さんは自然と家の外への恐怖心を解いていきます。子どもは「僕が学校に行けなくてもお母さんは楽しそうだ」「自分は迷惑な存在じゃないんだ」と安心します。「今の自分のままで、この家にいていいんだ」という安心感こそが、次のステップへ進むためのガソリンになるのです。

お子さんは大事です。でも、あなたも同じくらい、いえ、それ以上に大事な存在です。まずはあなたが、あなた自身の人生を取り戻すところから始めてみてください。それが、結果としてお子さんの自立への最短ルートになるのですから。