受験シーズンも本番だ。受験期の自己管理で大切なものは何か。数多くの成功者に取材してきたライターの上阪徹さんは「参考書や問題集だけでなく、集中力を高めるための栄養管理も大事な要素だ」という――。

気分や集中力がアガる栄養素

やる気がしない、集中できない、頭がボンヤリして何をすべきかわからない。

そんな、気持ちばかりが焦ってしまう時間はないだろうか。

性格なのか、習慣なのか、周囲が悪いのか……。いや、もしかしたらそもそもの原因は、自分の体に必要な栄養が不足しているためかもしれない。

実際、集中力には“栄養”が要るのだ。脳のエネルギー源として大事なのは「ブドウ糖」と言われ、血液中のグルコース(ブドウ糖)が不足すると、身体はすぐに補おうとする。ブドウ糖が足りなくなるのだ。逆に、エネルギー供給が安定しているとき、脳はより効率的に情報処理ができるという。

はたして本当なのか、調べてみた。

近年、注目された研究によれば、ブドウ糖は実際にヒトの認知機能に影響する可能性があるらしい。2024年に公表された「ランダム化比較試験」の結果が、それだ。18~29歳の健康な男女17人を対象に、グルコース含有ラムネの摂取前後の変化を調べたところ、気分や脳活動が改善し、選択力や注意力が向上することが示されたという(*1)

ならば、実際に本当なのか、確かめたくなる。2026年もはや2月。大寒波の洗礼も受け、年度末の行事が続くこの1、2カ月、まさに「最高の集中力」が必要な人たちがいる。そう。人生において圧倒的な集中力を求められる場面の1つは、今も昔も大学受験。大学受験成功者に話を聞こうではないか。

(*1)瀬戸口裕子ら(2024)「ぶどう糖含有ラムネ菓子摂取が健康な若年成人の認知課題に伴う脳活動および心理生理状態に与える影響 ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー比較試験」『薬理と治療』52(6) pp.711-722.

学年底辺から東大現役合格へ

2年前に受験との戦いに打ち勝ったばかりの男子大学生がいる。東京大学文科一類に現役合格し、現在は教養学部2年に在学中のNさん(19歳)だ。

東大・赤門
写真=iStock.com/ranmaru_
※写真はイメージです

「あの冬ほど、自己統制がうまくいったときはありません。なにしろ底辺からの大学受験でしたから」

そう話してくれたNさんは、東大合格者数で毎年“別格”の進学率を誇る、都内の中高一貫男子校出身。だが、なんと入学時は、「学年300人中299位くらい」の成績だったという。しかも、本格的に大学受験を意識したのは、高校3年の2学期になってからだった。

「とにかく時間がありませんでした。おおげさでなく1日8~10時間以上、朝から晩まで勉強しました。『540分』『660分』と、毎日の勉強時間を日記に書いて。目標は『840分』でしたが、さすがに達成できる日はごくわずかでした」

とはいえ、どうして急に、勉強型になれたのだろう。だって、もともとガリ勉タイプではなかったのでしょう?

「ハイ、そうです。それまでも集中して勉強しなきゃ、とは思ってました。でも、思うだけで終わってしまっていて」

Nさんは当時を振り返りながら続けた。

「自分が2人いる感じなんですよ。“勉強しろ”って頭の中で指示している自分と、現実の自分。その2つを“いかにつなげるか”が難しくて」