頭のいい子が育つ家庭は、どんな子育てをしているのか。プロ家庭教師集団名門指導会代表の西村則康さんと副代表の辻義夫さんは「頭のいい子にはある1つの共通点がある。それは、心の動きを伴いながら授業を聞き、問題を解くメンタルだ。その鍵は幼児期の過ごし方にある」という――。

※本稿は、西村則康・辻義夫『本当にかしこい子になる! 勉強メンタルの育て方』(ウェッジ)の一部を加筆・再編集したものです。

クレヨンでお絵かきしている子供たち
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楽しく生きている人が持つ「センサー」

中学受験の理科の生物分野では、昆虫の足の数だったり、植物の葉の形だったりを聞かれる問題がよく出題される。興味のある子なら覚える以前に、実際に自分の目で見て「知っている」が、まったく関心のない子にしてみれば、覚えることがいっぱいあって苦行にしか感じない。そういう子は、「こんなものを覚えて一体何の役に立つのだ?」と思いながら、それでも入試に出るから仕方なく覚える。でも、そんな勉強はつまらないし、それこそ何の役にも立たない。

一度きりの人生なのだから、楽しく生きたい。誰もがそう思っているだろう。でも、まわりの大人を見ていると、いくつになっても毎日をイキイキと過ごしている人と、なんだかつまらなそうに過ごしている人がいる。両者の違いは一体どこにあるのだろうか?

それは、自分の身の回りに存在するもの、起きている事柄などを「なぜそうなのだろう?」と不思議に感じるセンサーが働いているかどうかの違いだと感じている。

私たちが暮らす世界には、いろいろな色や形をしたものがある。そして、それらにはそれぞれ「なぜそうなっているのか」理由がある。例えば、信号機や非常ボタン、ブレーキランプなどに赤色が使われているのは、赤は注意を引く色、すなわち周囲の人にいち早く危険を知らせるための役割を果たしているからだ。

同じように、人間の体や他の動物、虫類、植物もさまざまな色・形をしていて、それぞれに理由がある。この「ものの成り立ち方」を意識することはとても大事で、そこに意識が向いている人と向いていない人とでは、人生の楽しさ、深さが大きく違ってくると、私は考える。

渋幕の理科で出された「謎問題」

中学受験をするからには、なるべく偏差値の高い学校を目指し、難関大学から一流企業へ就職、もしくは名誉ある職業に就かせたいと望む親はいまだ多い。そういう家庭では、東大合格実績の高い学校が第一志望校になりやすい。

なかでも近年、注目を集めているのが、14年連続東大合格者トップ10入りを果たしている、「渋幕」こと、渋谷学園幕張中学・高等学校だ。同校は理系に強い学校としても知られているが、毎年、理科入試では意表を突いた問題が出題される。例えば、以前こんな問題が出た。

千葉県の名産である落花生の問題で、その中の1つに落花生の表面のシワシワした編み目模様は何かという問題があった。選択問題で①芽、②管、③ガク、④表面の裂け目、⑤歯型の跡、の5つから正しい答えを選ぶというものだった。正直、それを知っていても、知らなくても、生きる上では何も困らない。なのに、なぜそんな“謎問題”を出すのか?