子どもの寝かしつけに苦労している親は多い。乳幼児睡眠コンサルタントの愛波あやさんは「睡眠環境を整え、ちょっとしたルーティンを行えば、子どもが入眠しやすくなり、親はぐんとラクになる」という――。

※本稿は、愛波あや『赤ちゃん超ぐっすり育児 親子でしあわせになる寝かしつけメソッド』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

ベッドで眠っている愛らしい小さな男の子
写真=iStock.com/Adene Sanchez
※写真はイメージです

まず睡眠環境を整えるところから

「理想的な寝かしつけ生活」を始める第一歩は、睡眠環境を整えることです。これは赤ちゃんが生まれる前からでも準備できますし、今からでも取り入れられます。パパも参加できる部分が多いので夫婦で一緒に取り組みましょう。

室温と湿度

赤ちゃんに快適な室温は20~22℃が目安です。夏場は25℃程度でも構いませんが、汗をかいているようなら暑すぎます。熱がこもると乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが高まるため注意が必要です。湿度は40~60%が理想で、日本の夏はエアコンの除湿機能をうまく活用してください。

光(遮光)

赤ちゃんの体内時計を整えるには光のコントロールが大切です。就寝時や日中のねんねでは遮光シートなどで遮光しましょう。光が入ると脳が覚醒し、眠りにくくなります。季節による日の出時間の変化を考えると、年間を通して安定したリズムを作るには遮光が欠かせません。

音(ぐっすりノイズ)

新生児期は、お腹の中で聞いていた心臓や血流の音に似たホワイトノイズ(低音から高音まで均等に含まれるザーッという砂嵐のような音)やブラウンノイズ(低音が強く川のせせらぎのような深みのある音)、そしてピンクノイズ(低音が多めで高音が少ない雨が降っているような音)が赤ちゃんに安心感を与え、眠りにつきやすくなります。月齢が進んだあとも一定の環境音を流すことで、夜中に目が覚めても自分で再入眠しやすくなります。それらを私は「ぐっすりノイズ」と呼んでいます。

安全な寝床

米国小児科学会(AAP)は、生後1歳までは同じ部屋で別の寝床(ベビーベッド)を推奨しています。また窒息防止のため、寝床には掛け布団や枕、人形などを置かず、シーツはずれないようにしましょう。

安全な服装とスリーパー

寝るときはスリーパーを使いましょう。新生児~寝返り前(~3カ月ごろ)はおくるみスリーパーで安心感を与え、寝返り後は手を出して使います。6カ月~2歳ごろまでは転落や足の挟まりを防げるバッグ型、2~5歳ごろは足つきスリーパーがおすすめです。スリーパーは安全で快適なだけでなく、掛け布団を蹴ってお腹が出ているかもという心配も減り、親子とも安心して眠れます。さらに「これを着たら寝る」という習慣づけにもなります。

活動時間の見極め方

活動時間の目安(下の表を参照)は多くの研究や臨床経験に基づいており、赤ちゃんの脳と体の「睡眠圧」によって決まります。睡眠圧とは、起きている間にたまる眠気のことで、この睡眠圧が十分にたまる前に寝かせると寝つきが悪くなり、逆に高まりすぎると脳が興奮状態になり、寝ぐずりや夜泣きなどのトラブルが起きやすくなります。つまり、赤ちゃんにとって大切なのは、長すぎず短すぎない適切な活動時間を保つことです。

特に重要なのは、

(1)朝起きてから朝寝までの活動時間
(2)夜の就寝前の活動時間

です。

特に朝の活動時間は短くなりやすいため、早めに寝かしつけをスタートすることでスムーズに寝入ってくれて、1日のリズムが安定します。活動時間を超えて起きているとストレスホルモン(コルチゾール)が増え、寝かしつけのギャン泣きや、寝たと思ったのにすぐ起きる、ベッドにおいても眠らないなどの悪循環につながります。

逆に活動時間内に寝かせることで、ご機嫌なまま眠りやすくなり、「ひとりでベッドで眠る」習慣が育ちます。特に新生児~2カ月ごろから就寝時間前の活動時間を意識して寝かしつけをすると、自然とひとりでベッドで眠れる環境が育ちやすくなります。活動時間はあくまで目安で、成長や体調により変化します。大切なのは疲れすぎる前に寝かせることです。