※本稿は、市野瀬早織『東大合格者が身につけた 一生使える「読み方スキル」』(東洋経済新報社)の一部を再編集したものです。
超進学校で身に付ける「推理読み」とは
中高の進学校で、現代文の授業を担当していると、熱心に読解問題に取り組んでいる生徒から、このような質問を受けることは日常茶飯でした(マンガ①)。
この質問に対する答えは、やはりこれに尽きるのです。
「わからない単語や内容は、わかることで推測しよう」
これは、読解に限った話ではなく、日々の生活にもいえることですよね。
私たちは瞬間瞬間で「何を選択するのか」を「確実な答えがない」中で、自己判断して行動していき、その結果を受け取っています。読解のときにあなたに起こっている「ここがよくわからない……」という現象も、まったく同じ論理で成り立っているのです。
わからなければ、わかるところをつないで、〈おそらくこういうことを言おうとしているのだろう〉と予測を立てながら読み進めていく。
こうする中で、じつはまた「新しい光」が見えてくるものなのです。
あなたもよくご存じだと思いますが、文章にはメッセージがあります。
たとえば『アフターコロナで、会社を立てなおすために大事な20のこと』という本があったとします。
その場合、この1冊で著者が伝えたいのは「アフターコロナでの会社の業績の上げ方」です。もしくは、「業績をせめて元の基準まで戻す20の方法」かもしれません。
「全てを理解しようとする」のはNG
読者が確認するのは、この20個の方法です。
それさえ理解できれば、「この一文の意味がわからない」「なんか難しい専門用語が出てきた……」という問題は、もはや問題ではなくなるのではないでしょうか。
自分の未来に役立つ何かを得ることができれば、文章を読む目的は達成したようなもの。
ですから、基本的には書き手のいちばん伝えたいメッセージさえ理解できればOKなのです。
細かな言葉の意味を調べることを読解の醍醐味にしている人は、それ自体が大きな目的ですよね。
その場合、そもそも「難しい文章のよくわからない箇所」が、かえって読解の楽しみを生み出しているなんていうこともあるかもしれませんが。
では、ここで最もお伝えしたい読解スキル「意味がわからないまま『推理読み』する力」とは具体的にどのようなものなのでしょうか?
簡単にいえば、「理解できるパーツだけでパズル全体を完成させる」イメージです。
これは年齢の低いお子さんであっても、早くから身につけているスキルですよね。
たとえば、「顔パズル」があるとします。
3歳くらいになれば、「ここに耳があるってことは、ぽっかり空いているここには目と鼻が入るんじゃないかな?」と考えながら、パズルのピースを埋めていくことができます。
「推理読み」もまったく同じこと。
まわりの文章から推測して、わからない単語の意味や内容に「当たり」をつけるのです。
パズル遊びが読解に置き換わっただけということですね。



