「ガイド本3冊同時読み」を勧めるワケ

私が勤めていた中高一貫の進学校では、高校2年生が各自の関心に合わせた研究テーマを選び、研究論文を提出・発表することがカリキュラムの中に入っていました。

通常は大学生が卒業論文として書くようなことを、高校生が行うということです。

研究テーマによっては専門的な要素が強すぎて、高校生には難しい用語が出てくることもあります。

そのため、「そもそもこの言葉の意味は何?」と、一つひとつ言葉の意味を調べないと、「結局、何を言っている本なのかがわからない」ということも少なくありませんでした。

そこであがったのが冒頭の漫画にあるような質問です(マンガ②)。

専門用語ばかりで本の内容が頭に入らないときは……
マンガ=山下カヨコ、出所=『一生使える「読み方スキル」

「一つひとつの言葉や文章の意味を、がんばって理解しなきゃ……」と思って努力すればするほど、読書は楽しくなくなってしまうものです。

右脳の感情が「この本、読みにくいな……」と感じはじめたら、読書効率も悪くなり、当然その本から吸収できる知識なども薄くなります。

そんなときに役立つのが「ガイド本を3冊見つけて同時読みする」という読書法です。

この読書法のやり方はいたって簡単。

たとえば「地産地消」というテーマについて知りたい場合、これに関係する本を3種類程度集めてくるのです。

「なんだ、そういうことか!」と理解が進む瞬間

1冊目の本を読んでわからなかったことでも、2冊目をチェックしてみると、同じような内容を違う表現で書いている場合があります。

そこで、急に「なんだ、そういうことか!」と理解が進む、なんていうのはよくあることです。あなたもそんな経験はありませんか?

そして、3冊目を読む中で、

「1冊目にも2冊目にも似たような内容が書いてあるな。ということは、いまの農家が『地産地消』をどう考えているかについての、大事なポイントなのかもしれない」

といった具合に、3通りの「ガイド本」を同時読みする視点に立つからこそ、情報が整理され、ひとつのテーマについての理解が深まるのです。

このときとても大事なのは、3冊のガイド本を選ぶとき、「自分の読書スキルのレベルに合わせる」ということです。

当然ですが、13歳が「おもしろい!」と思って読む内容や分量と、社会人が「おもしろい!」と思える内容や読む分量は違います。人生経験の数も違うし、経験の中で得てきた知識やスキルも違うからです。

そして年齢を問わずに話せば、「それまでにどのくらい読書をしてきたか」といったことや、現時点で読書が好きか/嫌いかなども違います。

それぞれの経験や嗜好により、読みやすい本は人それぞれなのです。