「持っているカードをどう使うかで、人に愛されるかどうかが決まります」
感情をコントロールできると、「学業優秀」になり、「習い事も上達」し、「失敗しない子」になる、と思っていませんか。完璧に感情をコントロールできて、常に冷静で正確……、これを求めると、AI(人工知能)には勝てません。
では、人間の価値はどこにあるのかというと、実は、失敗しても、弱点があっても、「この人ともっと一緒にいたい」と思われること、つまり、人から愛される力があること、ではないでしょうか。この人といると楽しい、雰囲気が明るくなる、力になってあげたいと思わせる、そんな力です。それには、完璧な人であるよりも、多少、欠点や弱点があるほうがいいかもしれません。
人には、それぞれ「強み」「弱み」があります。カードに例えると「強いカード」「弱いカード」ということになるでしょうか。親としては、なるべく「強いカード」を育ててほしいと思いますよね。「体格がいい」とか「足が速い」とか「勉強ができる」とか。でも、子どもが持っているカードは、化けます。「成長が早かったけれど、小学校高学年で止まった」「新幹線の種類、全部言えていたのに、もう興味がない」とか。逆に、それまで弱みだと思っていた部分が強みに変わることも。「モジモジしていたけれど、周りを思う優しい子だった」のように。ですから、「この子はここが強い」と早めに決めてしまうと、もったいないことになります。まだ眠っている力が育つことを阻害することにもなりますから。これさえあれば一生安泰などというカードは、存在しません。
親としては、「強いカードを持て」というのではなく、「持っているカードをどう使うか」を教えてやることが必要なのではないでしょうか。その使い方によって、人を楽しませたり、人から愛されたりすることが可能になります。
一見、弱みに見えるカード、たとえば「すぐ泣く」「けんかに弱い」というカードは、使いようによっては、共感を得やすく、周りから助けてもらえるカードになります。実際、「最初に泣く人が、けっきょく自分の思い通りにさせる」という結果も出ています。
また、強いカードを持っていても使わない、という方法もありです。「せっかくいい体をしているのに、スポーツ選手ではなくお笑いの道へ行く」だっていいのです。愛されさえすれば。
※本稿は、『プレジデントFamily2026春号』の一部を再編集したものです。


