平日は学校から帰った途端にゲーム、そして休日はゲームだけで一日が終わる……そんな子どもの姿を見ると不安にかられ、スマホやタブレット、ゲーム機などを取り上げたくなる親は少なくないだろう。しかし、精神科認定看護師のこど看さんは「その気持ちはよく理解できるが、なるべくなら取り上げるのではなく子どもの世界を理解したうえで会話をしたほうがいい」という――。

※本稿は、こど看『児童精神科の看護師が伝える 10代のこわれやすいこころの包みかた』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

スマートフォンを持ち、顔を隠す幼い子どものグループ
写真=iStock.com/SeventyFour
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大人もやめるのが難しいゲームやネット

子どもがいつまでもYouTubeを見続けてしまう。「ゲームは1日1時間」と決めたのに守る日のほうが少ない……。そんなとき、「うちの子は意思が弱いのかな」と心配になる方も多いでしょう。ですが、ご安心ください。

そもそもネットやゲームは大人でもやめるのが難しいくらい魅力的なものです。私たちも「今日はここまで」と決めたはずなのに、「あと1話だけ……」とNetflixを見続けて、気付いたら外が明るく、なんてこともあるものです(少なくとも私は)。大人でさえ自分との約束を守るのが難しいのですから、子どもが「おしまいにする」ことが大変なのは当然です。

もうひとつ大切なのが、「守れないルール」を子どもに課していないかを考えることです。児童精神科医の吉川徹先生は、「ネットやゲームについての約束は、子どもが守るものではなく、大人が守らせるものです。少なくともネット、ゲームの世界に出会った初めのうちは、子どもは約束を守れないという前提で関わるのが手堅い方法です」(『ゲーム・ネットの世界から離れられない子どもたち 子どもが社会から孤立しないために』吉川徹著、合同出版)と話しています。

「守れるルール」を設定することが大切

私の臨床経験からも、この言葉には強く共感します。小さな約束を守る経験を積み重ねることが、やがて自己コントロール力を育み、その結果として依存や嗜癖しへきの予防につながるのです。

だからこそ、「守れるルール」を優先して設定し、もし守れていないルールが放置されているなら、話し合って現実的な内容に修正しましょう。守れていない約束をそのままにしておくことは、「約束には価値がない」と教えてしまうようなものです。

ルールは子どもを縛るためではなく、子どもが自分をコントロールできるようになるための大切な土台です。一度つくったら終わりではなく、必要に応じて何度も見直し、子どもが「守れた」と思える経験を積み重ねていくことが大切なのです。