※本稿は、こど看『児童精神科の看護師が伝える 10代のこわれやすいこころの包みかた』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
多くの場合は「もう限界」というサイン
子どもから「学校に行きたくない」と言われる。これは多くの保護者にとって大きな衝撃です。「ここで休ませたら休み癖がつくのでは」「嫌なことがあるとすぐ休む子になるのでは」と不安が押し寄せ、つい「もう少しがんばってみたら?」「そんなこと言わないで」と登校を促す方もいるでしょう。しかし、子どもがその言葉を口にした背景に目を向けてみると、違った意味が見えてきます。
子どもの「学校に行きたくない」は、多くの場合「もう限界」というサインです。友だちとうまくいかない、勉強についていけない、教室で孤立している……。そんな状況の中でも、その子なりになんとかがんばってきたはずです。
それでもうまくいかず、「親に言ったら迷惑かけるかな」「嫌な顔をされるかもしれない」と葛藤し、勇気を振り絞って出した言葉なのです。だからこそ、そのひとことの裏には、積み重なった苦しさや葛藤が隠されていると考え、まずは受け止めてほしいのです。
不安を感じて自分を責めている子が多い
「特に理由はない」と言われる場合もあるかもしれません。けれど、その言葉の裏にも、「気持ちを言葉にするのが難しい」「理由を言ったらもっと困らせるかも」「疲れ切っていて説明する余力がない」といった気持ちが隠れている可能性があります。大切なのは、今何が起きているのかを一緒に考え、整理していくスタンスです。
「学校に行かないと将来が大変になるかも」という大人の不安は、子ども自身も強く感じていて、不登校の子どもの多くが「将来が不安」と答えているという調査結果もあります。
つまり、子どもは決して気楽に休もうとしているわけではなく、自分を責め、周囲と比べて落ち込み、罪悪感を抱えていることが多いのです。だからこそ大切なのは、「子どもの今を知り、安心と安全を確保すること」です。


