子どもの挑戦する姿勢や物事をやり抜く力はどうすれば育てられるのか。起業家教育を重視した小学生向けアフタースクールを運営する森博樹氏は「ちょっとした親の声かけで、子どもの『やり抜く力』が育つ」という――。

※本稿は、森博樹『親子ではじめる 10歳からの起業家教育 圧倒的な主体性を育む「5ステップ成長循環メソッド」』(学事出版)の一部を再編集したものです。

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写真=iStock.com/takasuu
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すぐ諦める子と粘り強く挑戦する子の違い

「失敗を恐れず、何事にも挑戦できる子になってほしい」これは、すべてのお子さんを持つ保護者の方々の共通の願いではないでしょうか。しかし現実には、たった一度の失敗で「もうやりたくない」とそっぽを向いてしまったり、難しい課題を前にして「どうせ僕には才能がないから」と挑戦する前から諦めてしまったり……。

そんなお子さんの姿に、心を痛めたり、もどかしい思いをされたりした経験は、きっと少なくないはずです。では、すぐに諦めてしまう子と、粘り強く挑戦し続ける子の違いは、いったいどこにあるのでしょうか。

その鍵を握るのが、スタンフォード大学の心理学者キャロル・ドゥエック教授が提唱する「マインドセット」、すなわち物事の捉え方や考え方の“癖”です。この“心の状態としてのマインドセット”には、大きく分けて2つの種類があります。お子さんがどちらのマインドセットを備えているかで、困難に直面したときの反応、そしてその後の成長の可能性が大きく変わってくるのです。

挑戦を避けがちな「硬直マインドセット」

一つは、「自分の能力や才能は、まるで石版に刻まれた文字のように、生まれつき決まっていて変わらない」と信じている「硬直マインドセット(Fixed Mindset)」です。このマインドセットを備えている子どもは、無意識のうちに「できる自分=価値がある」「できない自分=価値がない」という思考に陥りがちです。そのため、自分の能力が試される場面、特に失敗する可能性のある挑戦を極端に避けるようになります。

森博樹『親子ではじめる 10歳からの起業家教育 圧倒的な主体性を育む「5ステップ成長循環メソッド」』(学事出版)
森博樹『親子ではじめる 10歳からの起業家教育 圧倒的な主体性を育む「5ステップ成長循環メソッド」』(学事出版)

例えば、算数で初めて見る難しい問題が出てきたとき。彼らの心の声はこうです。

「もしこの問題が解けなかったら、自分は算数ができないダメな子だと思われてしまう。恥ずかしい思いをするくらいなら、最初から『こんなの分からない』と言ってやらない方がマシだ」

体育で逆上がりに挑戦するときも同じです。

「あの子はすぐできたのに、自分はできない。やっぱり運動神経が悪いんだ。何度も失敗する姿をみんなに見られるのは、もう嫌だ」

彼らにとって、失敗は単なる「間違い」ではなく、自分自身の価値を揺るがす「証明」になってしまうのです。だからこそ、自分のプライドや価値を守るために、挑戦そのものから遠ざかってしまいます。