トレーニング前提の「成長マインドセット」

もう一つは、「能力や才能は、トレーニングで鍛えられる筋肉のように、努力や経験次第でいくらでも伸ばすことができる」と信じている「成長マインドセット(Growth Mindset)」です。こちらのマインドセットを備えている子どもは、失敗に対する捉え方が全く異なります。

同じように、算数で難しい問題にぶつかったとき。彼らの心の声は、興奮に満ちています。

「うわ、この問題すごく難しい! でも、もし解けたら最高じゃないか? どこから手をつければいいかな。」

逆上がりに失敗したときも、下を向きません。

「悔しい! でも、さっきより少しだけ足が上がった気がする。上手な子は、どこに力を入れているんだろう? やり方をちょっと変えて、もう一回やってみよう!」

彼らにとって、失敗は自分の価値を証明するものではなく、目標を達成するための「貴重なヒント」や「攻略法」に変わります。難しい課題は、自分を試すものではなく、自分を成長させてくれる絶好のチャンスなのです。

子供の手と電球
写真=iStock.com/takasuu
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家庭でできる「やり抜く力」の育て方

「やり抜く力」とは、この「成長マインドセット」という豊かな土壌があって初めて、力強く育つものです。しかし、「『成長マインドセット』が大切なのは分かったけれど、毎日忙しい中で実践するのは難しそう……」と感じられた方もいらっしゃるかもしれません。頭では分かっていても、ついテストの結果に一喜一憂したり、子どもが失敗すると感情的に叱ってしまったり……。それは、子どもの未来を真剣に思うからこその、自然な反応です。

「やり抜く力」と聞くと、何か特別なトレーニングが必要なのでは……と、身構えてしまうかもしれません。でも、大丈夫です。お子さんのその大切な力を育むのに、高価な教材や難しい理論は必要ありません。

実は、ご家庭での日々の何気ない「声かけ」をほんの少し意識して変えるだけで、お子さんの心の中にある「成長マインドセット」という豊かな土壌は、驚くほど着実に耕されていくのです。ここでは、今日からすぐに実践できる3つの「声かけ事例」をご紹介します。