いよいよ中学受験の本番が近づいてきた。直前期の子供に親はどう接するのがいいのか。プロ家庭教師集団名門指導会代表の西村則康さんは「親が不安になるのは当然だが、それを直接子供にぶつけてはいけない。気持ちを伝えるうえで、おすすめのフレーズがある」という――。
勉強をする子供
写真=iStock.com/Hakase_
※写真はイメージです

直前期にやるべきことはたった1つ

年が明けて、いよいよ中学受験本番の時期に入った。たった1回のテストで合否が決まると思うと、心穏やかではいられなくなるが、この時期の焦りは禁物だ。もし今もなお苦手単元の克服をしようとあがいているなら、ただちにやめるべきだ。中学受験では満点を取って合格する子はほぼいない。テストの得点が低くても、合格点に達してさえいれば合格できる。

直前期の今やるべきことはたった1つ、その学校を受ける子なら誰もが正解できるような基本問題を絶対に落とさないことだ。それさえ押さえておけば、あえて苦手に向かう必要はない。むしろ、苦手を深掘りすればするほど、合格から遠ざかる。

1月は得意科目を中心に勉強を行い、「これはもう大丈夫」「これももう大丈夫」と、できていることを確認しよう。そうすれば、気分もいいし、自信も付く。この「自信」こそが、入試本番で重要になる。

「そんな勉強では合格できない」と言ってはいけない

とはいえ、小学生の子供と違って、数々の失敗や試練を経験してきた大人の目からすると、「さすがに今のこの状態では、第一志望には合格できないだろう」と思うかもしれない。すると、つい「そんな勉強では合格できないわよ」と発破をかけたくなるだろう。だがこの言葉は、直前期に絶対に言ってはいけない。

親の不安は子供にも伝わるもので、子供の中にはこの時期すでに「どうせ僕は第一志望校に受かりっこない」とあきらめている子もいる。実際、現時点での学力と志望校のレベルがあまりにも乖離している場合は、逆転合格は望めない。よく塾の合格体験記などで「逆転合格」が紹介されているが、それは極めて例外であると思っておいたほうがいいだろう。

受験校を選ぶ際、第一志望校合格にこだわりすぎたり、偏差値の高い学校ばかりをチョイスしたりするとうまくいかないことが多い。中学受験の勉強は小学校生活の約半分を費やすため、その努力が報われるようにと偏差値の高い学校を選びがちだ。

高い目標を掲げて努力することを否定するつもりはないが、現実と大きくかけ離れている志望校選びは避けたほうがいい。でも、モチベーション維持のためにどうしても第一志望校を受験したいのであれば、挑戦したほうがいいだろう。ただし、その場合は、第二志望校以降の併願校をうまく組み合わせる必要がある。