“病人や高齢者を切り捨てよ”という論調が支持を集める

医師は人を救うが、ある意味では社会制度もまた人を救う。樺嵯斗さんが社会制度に救われたことは前編でも触れた。“持ちつ持たれつ”の関係を社会全体で構築し、体現したのが高額療養費制度だろう。だがこうした医療制度が非難の的になる場面もある。

2024年度、病気やけがなどで医療機関に支払われた日本の医療費(概算)は過去最高の48兆円に到達した(厚生労働省「令和6年度 医療費の動向」)。