2015年11月2日(月)

なぜ、頭のいい子に限って、家ではダラダラ・ユルユルか?

親技のカガク【14】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
松尾 英明 まつお・ひであき
千葉大学教育学部附属小学校教諭

1979年宮崎県生まれの神奈川県育ち。千葉県の教員15年目で、現在は千葉大学教育学部附属小学校で体育指導の研究をしている。「教育を、志事にする」という言葉を信条に、自身が志を持って教育の仕事を行うと同時に、志を持った子どもを育てることを教育の基本方針としている。野口芳宏氏の「木更津技法研」で国語、道徳教育について学ぶ他、原田隆史氏の「東京教師塾」で目標設定や理想の学級作りの手法についても学ぶ。新著に『新任3年目までに知っておきたい ピンチがチャンスになる「切り返し」の技術』明治図書(http://www.meijitosho.co.jp/detail/4-18-190712-9)がある他、体育の分野では雑誌『楽しい体育の授業』での連載、『準備運動指導のすべて てんこ盛り事典』『器械運動指導のすべて?てんこ盛り事典」(いずれも根本正雄編 明治図書 部分執筆)、学級経営の分野では『クラスを最高の雰囲気にする!目的別学級ゲーム&ワーク50』『最高のチームを育てる学級目標 作成マニュアル&活用アイデア』『一人残らず笑顔にする学級開き 小学校~中学校の完全シナリオ』(いずれも赤坂真二編 明治図書 部分執筆)他多数。メルマガ「二十代で身に付けたい!教育観と仕事術」(http://www.mag2.com/events/mag2year/2014/free/sch.html)が「2014まぐまぐ大賞」教育部門大賞を受賞。ブログ「教師の寺子屋」(http://hide-m-hyde.blogspot.com/)も主宰。

執筆記事一覧

千葉大学教育学部附属小学校教諭・松尾 英明=文
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なぜ、家でダラダラする子は優秀なのか?

「子どもが自分の願う方向に育たない」

教育熱心な親ほど悩むことが多い。「何度も何度も言ってきかせてるのに……」と。しかし、現役小学校教師の筆者はこうした親の考え方の前提である、「ウチの子は、言えば分かる・変われる」に実は根本的な間違いがあると語る。

「何度言っても、(自ら)変わらないものは変わらない」

子どもであっても、自分とは異なる存在。「他人と過去」を変えることはできない。といっても、親としての責任を放棄するわけではない。「力ずく」を脱することが子育ての原点だというのだ。

では、具体的にはどう子どもと接すればいいのか。キーポイントは子どもは「思い通りにならなくて当たり前」という気持ちで接することだ。前回に引き続き、筆者が提案する3つのアイデアとは。

(1)家で「ガス抜き」させ、心身を回復させる

親の言うことをよく聞き、素直に「はい」と答え、何でも真面目にやり、親の望むように育った子どもが実在します。当然、社会に出てもうまくやっていくはず。

と、考えたくなりますが、そううまくはいかないものです。相手は子どもである以前に、人間です。バランスというものがあります。

私の経験上言えるのは、学校で、成績だけでなく人格的な面も含めて「本当に素晴らしい」と賞されるような子どもは、実は家庭でダラダラしていることが多いということです。

家庭訪問や面談で担任がその子どもを褒めると「信じられない。家ではひどいんですよ!?」と愚痴を聞かされることもしばしばあります。

健全な子どもほど、実は家で「ガス抜き」をしているのです。子どもは本来自由で制約のない存在なのだから、ルールの多い社会では「不自然」の状態を求められることになります。誤解を怖れないで言えば、教育とは「自然のままにしておかない」ことです。教育の効果がよく現れる子どもほど矯正されるわけですから、より多くの負荷がかかります。その分、回復が絶対に必要です。

その回復の場が、家庭です。親には回復させる重要な役割があるのです。だから、当然(と言っては申し訳ないが)子どもが親の言うことを聞かない事態も起きます。これも、文字通り「家庭」が「安心のホームベース」という証拠です。

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