まずは分類から
傘を用途ごとに分類すると、
②折り畳み傘
③日傘
の3種類に分けられます。
それぞれについて検討していきましょう。
まず、①雨傘はほとんどの人が持っていると考えます。具体的な数値設定は解く人によって変わってきますが、ここでは仮に所有率を95%、平均所有本数を3本とします。
1.2億人×95%×3本=3.42億本
次に、②折り畳み傘は雨傘よりは所有率はやや低いと考え、所有率を80%、平均所有本数を1本とします。
1.2億人×80%×1本=9600万本
最後に、③日傘は性別で所有率が異なるため、男女に分けて考えます。
男:6000万人×5%×1本=300万本
女:6000万人×70%×1本=4200万本
よって、個人が所有している傘の本数は①+②+③=約4.8億本と推定できます。
今度は、店頭で販売されている傘の本数を考えましょう。ここからのアプローチでは、各店舗にある傘の本数を計算するのではなく、傘を購入する人の需要から計算していきます。
傘の店頭販売本数=日本の人口×需要率×1人あたりの平均購入回数
ここでも場合分けを行い、④急な天候変動によってすぐに使う傘を購入する場合と、⑤普段使いの傘を購入する場合に分けて考えましょう。
さらに細かく分けていく
〈④急な天候変動によってすぐに使う傘を購入する場合〉
雨が突然降ったり、日差しが強かったりしたときに傘を持ち合わせていない人が、その場で使う傘を急いで購入するケースです。なので傘の種類は分けずに、「日本の人口×需要率×平均購入回数」で求めてみましょう。いつも傘を持ち歩いている人と、雨予報の日に傘を持ち歩いている人を合わせて日本の人口の60%と仮定し、残りの40%が需要率、つまり天候によって急に傘が必要になる人とします。すると、
1.2億人×40%×2本=9600万本
となります。
〈⑤普段使いの傘を購入する場合〉
傘が壊れたときに買い足したり、スタイルや性能の良い傘を新しく買ったりするケースです。この場合、需要率は傘の個人所有率と同様だと考えられます。われわれの経験に照らし合わせて、傘の耐用年数を3年、平均購入回数は年1回として計算しましょう。
まず雨傘は、
1.2億人×95%×1本÷3年=3800万本
折り畳み傘は、
1.2億人×80%×1本÷3年=3200万本
日傘は、
男:6000万人×5%×1本÷3年=100万本
女:6000万人×70%×1本÷3年=1400万本
これらを合計して、店頭で販売されている傘の本数は、年間で1.8億本と推定できます。以上から、個人所有と店頭販売を合わせて、日本に存在する傘は推定6.6億本であると結論できます。